M3 キノトロープ | 生田昌弘のWebサイト 「仕事」「情熱」「趣味」の3つがテーマです
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はじまりの時代

第12回 エピローグ
~起業を志す人へ、再び~

来年、キノトロープは10周年を迎えます。
関連会社やコアとなる同志が集い、僕等がやりたかった「ワンストップ・ソリューション」の駒がようやく揃った。これでやっと真の戦いに挑んでいくことができます。「これからがスタートだ、さあ始めよう」そんな想いです。

経営者として心得ていること

組織をまとめるリーダーとして、僕は三つのことをいつも考え、目指しています。

  1. 価値観と情熱を共有すること
  2. 常にその道でNo1であること
  3. キャッシュフローで経営を見ていくこと

1.価値観と情熱を共有すること

制作における「価値観と情熱」については、メンバーに限らず同業の制作者、クライアントの方々とも共有することが重要だと考えます。なぜなら価値観と情熱を共有し合えなければ、本当にいいモノは作れないから。採用面接でも、クライアントとの初回ミーティングの時でも、まず最初に「キノトロープは、こういうスタンスと考え方の元で、こういうやり方し方で制作を行なっています」という説明を2時間かけてします。包み隠さず、自分の持ち駒をすべて見せる。それを先方に充分に理解していただいた上で「一緒にやるか否か」という判断を仰ぎます。見方によっては、高飛車と取られるかもしれません。しかし、充分に理解しあった上で進めた仕事は必ず成功します。

2.常にその道でNo1であること

一言でいえば、コア・コンピタンスのこと。 人には必ず一つは「強み」があるものです。僕等はそれを大事にするチームでありたい。 僕はキノトロープを「梁山泊の108人(水滸伝)」のようなチームにできたらな、と思っています。 つまり「プログラムなら俺に任せろ」「スケジュールを引くなら私」と言える強烈な武器(強み)を持つメンバーを108人揃えたい。 どんな問題でもワンストップで解決できる、それがキノトロープなんだと言いたい。 これはビジネスについても同じことで、僕等はクライアントの強みを徹底的に検討します。 そしてNo1で勝てるところを活かすサイトを作りましょうという提案をしています。

3.キャッシュフローで経営を見ていくこと

堅実的な話になりますが、非常に重要なことです。つまり「身の丈に合ったお金」という考え方。株や外部からの資金といったお金の形もあるけれど、それはどちらかといえば評価や価値感であって、「お金」そのものではない。僕等の環境は贅沢過ぎてもケチ過ぎても良くないと思っています。自分たちの能力や実績に見合ったお金をいただき、バランス良く使えるようにしていきたい。自分の力を正直に冷静に見つめる、ということでもあります。

やっぱり最後は情熱「Make Me More Passion」

インターネットが登場してからというもの、世の中には想像もつかないような変化が起きました。常識が変わり、企業が変わり、人も変わった。そんな中で僕等は順風満帆に来たわけでは決して無い。だけど儲からなくてインターネットを続けるか否かの選択を迫られた時、僕等が選んだ答えは「YES」でした。僕等の背中を押したのは、たった一つの情熱でした。
今でもリーダーとして大きな選択を迫られる時、僕は自分に問いかけます。
「それは情熱をもってやれるか?」
直感に近いこの感覚を、今でも僕は何よりも大事にしています。窮地に追い込まれた時も、成功の予感がする時も、いつでもこの問いが僕を導いてきました。この10年で学んだ最も大きなことは、人間の情熱ってものはとてつもない力を持っている、ということ。
「Make Me More Passion(もっと情熱をもて)」
は、社内のスローガンです。何歳になっても僕は情熱を持っていたいし、情熱を持つ仲間と仕事をしたい。それはこれからもずっと変わらない。

「はじまりの時代」の終わりに、ありがとう

1997年以降、多くのサイトが立ち上がり、多くの会社が起業しました。僕等の起業は、最近のインターネットにまつわるそれとは、形や目標が異なります。大企業を築くことが目標ではないから。「僕等が戦える場所をつくる」それが僕等の永遠の目標です。そんな僕等がこの「はじまりの時代」を生きてこれたのは、多くの人の支えによるものでしかありません。

僕の与太話に笑って乗ってくれたアスペックの大久保さん。
会社に秘密でサイトを立ち上げさせてくれたスコラの樋口さん。
僕等のわがままを許してくれたBMWの西さん。
ホントに一緒にモノを作ってくれたオラクルの松本さん、セブンドリームでもお世話になりました。
セブン-イレブンの碓井さん、佐藤さん、斉藤さん、早川さん。
ソニーの畑井さん。
バイオの田谷さん。
我々のことを社内より理解してくれたサンの小鍋さん、菊池さん。
雨の中を突然訪ねてきてくれたみずほインベスターズ証券の保坂さん。
3ヶ月間毎週日曜日に終日ミーティングに付き合ってくれた加納さん、山崎さん、中原さん、今給黎さん。
JUNの佐々木さん。
グラフィック社の奥田さん。
ガリバーの村田さん、白石さん、ご一緒させていただいたワインの味は一生忘れないと思います。
そしてここに書ききれないほど数多くの人々。

数え切れない「ありがとう」の中で、僕等は今再びスタートラインにいます。多くの人の支えによってキノトロープは存在します。個人的にはこんな会社が存在することは奇跡に近いと思っています。多くの人のお陰で奇跡が起こっています。どうすれば応えられるのか分からないけれど、10年後にも新たな「はじまりの時代」を一緒に体験していたいと思います。

気がつくと僕はいつも「はじまりの時代」にいたのかもしれません。僕を支えてくれた総ての人たちに「ありがとう」を、そしてこの時代を一緒に生きていく総ての仲間たちに心からのエールを送ります。

終わり



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