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はじまりの時代

第11回 2002年「挑戦」
~そして未来へ。いつでも僕等はスタートできる~

2001年は日本のブロードバンド元年と呼ばれました。
エンドユーザーのインターネット環境も驚くべき速さで向上し、誰もがブロードバンド時代のビジネスに期待を寄せるようになりました。しかし、実際のところ、ブロードバンドで一体何ができるのか、という議論に結論は出ていないようです。

新しい時代に向けて、僕等も大容量高帯域の本当の使い道を模索していかなければならない。そんな中で、二人の新しい仲間と出会うことになりました。

クリエイティブホープ設立

大前創希。
若い才能に溢れたこの青年との出会いは、オーセンティアが発行している「ビジネス・レポート」の取材制作がきっかけです。
インターネットにおける映像のあり方に対して僕等と共通の価値観を持ち、僕等は映像制作会社を立ち上げます。それがクリエイティブホープです。映像をインターネットに適合した形でアウトプットするという点が、普通の映像制作と異なります。

僕等は「ブロードバンド=映像(映画)」という考え方にはどうもそぐわない。もっとインターネットならではの、映像の有効な使い方があるのではないか。それを模索して提案していこう、というのがこの会社の使命でもあります。

今考えているのは、「検索」と「のぞき穴」の2点です。例えば「ビル・ゲイツの講演」で検索すればデータベースの関連映像が一気に参照できるとか。「のぞき穴」は広い範囲のネットワークで、例えば「波の状態」や「スキー場の積雪」など一つのテーマで定点観測します。それをインターネットやコンビニのキオスク端末でいつでも情報を引き出せるようにする。

クリエイティブホープは、映像を「有効な情報」として生かすための、使い方提案とコンテンツ制作を担っていきます。

ブロードバンドについて

ブロードバンドについてよく聞かれるので、ちょっと僕等の考えを話します。ブロードバンドと言うと、何か特別なことをしなくちゃいけないとか、発想が映像やゲームに直結しがちなんですが、韓国では当り前の環境だったりする。ちっとも特別なことはなく、インターネットであることに変わりないんですね。だから、僕等の場合「ブロードバンド時代に何ができるか」ではなくて、「インターネットで何ができるか」ということを10年前と同じように考えていくつもりです。

ブロードバンドによって何かが大きく変わるとすれば、「常時接続」がポイントになる。南の島にラップトップをわざわざ持っていかなくてもメールが取れるようになる。「ホットスポット」ははじまったばかりでまだ一般的ではないけれど、それはまだ常時接続を実現していないからです。本当にどこでも、信号待ちでもインターネットに繋げるようになれば、人の生活は変わると思います。

僕等が目指していくもの

こうして集まった77人のメンバー、僕の同志達と共にキノトロープが目指していくもの。それはきっと最初にお話した設立当時のものと基本的には変わりません。

「たとえばエディターやデザイナーやエンジニアが本当にいいモノを作れる環境をめざそう。そして、それに共感する人間が溜まる場所、それがキノトロープ。」

僕等は大きな会社を作りたいわけでは無い。ただ「モノ作りの同志」と呼べる仲間達と、本当にいいモノを作りたい、いいモノを作れる環境を目指したい、それだけです。たぶん僕等の創造欲が満たされることは無い。それでも僕等は走りつづける。もしかしたらある日生まれるかもしれない「最高のいいモノ」をこの目で見るまで。

これ以上ゴールが明確なことも無いけれど、永遠にたどり着けないゴールであるということも知っています。それでも僕等が楽しく走れるのは、このモノ作りの「プロセス」が好きだから。

このプロセスには、多くの人々との出会いや、感動や、成長があります。プロセスがまた新しいプロセスを生み出すこともある。僕等は苦しみながらもそれを楽しんでいる。そしていいモノができて、もっと多くの人々にも感動を与えられる…。こう思うと、もうやめられません。

同志:77名

続く



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