こんにちは、キノトロープの濱田です。

この連載ではWeb担当者の皆様からいただいたお悩みに答えていきます。

今回の質問は以下です。

結論から申し上げますと、基本的には必要です。担当者の交代や複数人での運用に備え、サイトの品質と継続性を担保する上で重要な役割を果たします。

ただし、ルールに縛られて運用のスピードが落ちるなら本末転倒です。理想的なのは、CMSなどを活用して「意識せずともガイドラインに沿った更新ができる仕組み」を整え、ドキュメント自体は最小限にすることです。単にルールを作るだけでなく、「どういった意図があるのか」を検討することでガイドラインの必要性を捉え直すことが、より良いサイト運用に繋がっていきます。

本記事では、Webサイト運用におけるガイドラインの必要性と、自社に合った効果的な作成・運用方法についてご紹介します。

基本的にはガイドラインは必要ですが、1,2人程度の少数で運用している場合には必ずしも必要ないと感じることがあるかもしれません。

ガイドラインを作成し、それに則って運用することは重要ですが、それが原因でスピード感が損なわれたり、やりたいことができないといった状況であればガイドラインの必要性について再考することも重要です。

極端な話、十分な引き継ぎ期間を確保して後任の担当者にしっかりと引き継ぎができる体制であれば、ガイドラインなしでの運用も不可能ではないかもしれません。

とはいえ、ごく少数での運営でもガイドラインがあるに越したことはないですし、複数人で運用を行ったり今後引き継ぎを行う可能性がある場合はガイドラインは必要と言えるでしょう。

また、担当者が一人であった場合でも、更新の際に以前はどうしていたかの確認ができるので、Webサイト全体の品質を担保するためにも、メモ書き程度でも作成しておいた方が良いでしょう。

他には複数サイトを運営している場合や、これからグローバルな展開を見据えている、派生サイトを作るといった場合はガイドラインの作成をお勧めします。

この際作成するガイドラインには「自分たちのブランドをより良い形で表現して伝えていくため」といった意味合いが含まれます。

また、禁止事項を明文化しないまま海外サイトを展開してしまうと、現地の担当者が思いもよらない表現方法で海外サイトを作成してしまう恐れがあります。

各国の個性が出過ぎてしまうと、本来アピールしたいブランドイメージとの乖離が起こる場合もあるため、グローバルに展開する際の懸念点として非常に重要視されている企業も少なくありません。

今後海外サイトや別サイトなどの展開を視野に入れている場合は「どういった形や方法でWebサイトを運用していくか」を明文化しましょう。

今回このようなご質問をいただいたということは、「ガイドラインがない状態でも問題なく運用できていると感じており、その必要性を疑っている」という状況が推察できます。

また、ガイドラインがあるがゆえに制限され、実現したいことができないといった場合にも、必要性を疑問視されることがあるでしょう。

作成しなくてもよいケースもあると上述しましたが、作成しない場合のデメリットについても考えてみましょう。

まず、担当者が突然業務から離れざるを得なくなった際のことが考えられます。

異動であれば多少の引き継ぎ期間を設けることができますが、一人で運用していた現在の担当者が突然の病気や事故で出社できなくなってしまうことがあるかもしれません。

そういった場合、新たな担当者や代役の方は十分な引き続きが行われないまま運用に入らざるを得ません。

さらに、面倒だからという理由でガイドラインの作成を怠っていた場合、関連業者や担当者とのやり取りなどもドキュメントとして保持されていないという事態が起こりうることは想像に難くないでしょう。

そのような状況では、新たな担当者が外部に助けを求めても適切な支援を受けることが難しくなるかもしれません。

その結果としてWebサイトが完全に停止し、重大な機会損失が発生するリスクがあります。

運用・制作のガイドラインはマニュアルに近く、そのような影響が考えられるため、ドキュメント化し引き継ぎを行うことができる状態にないと、もしものことがあったときに運用に大きく支障をきたす可能性があります。

CMSを導入している場合、理想的なのは、CMS自体がガイドラインとして機能し、更新の際に意識せずともガイドラインに沿ったサイトが作成できるようなつくりになっていることです。

CMSを構築する段階で作成時に使用できるパーツが決まるため、それを組み合わせて更新を行うことで自然とトーンやマナーが統一されたWebサイトができます。

このように、開発時点でガイドラインから外れた方法を選択できないようにすると一見不便に思えるかもしれませんが、作成時にガイドラインを意識する負担を軽減することができます。

また、CMSでの一元管理がされていれば、ロゴやヘッダーなど、サイト全体に関係する箇所のガイドラインに変更があった場合でも一括で更新が行うことができます。

運用のガイドラインを作成しても通常運用時に確認する方は少ないため、参照しなくてもサイトを運用できる状態を目指しましょう。

そのような前提が成し得られれば、ガイドラインは最小化できるのではないかと我々は考えています。

ガイドラインには多くの種類がありますが、優先して作成したいものからそうではないものまで様々です。

今一度、ガイドラインがどうあるべきか、どういった優先順位で取り組むべきかを考えてみましょう。

まず運用や制作に関するものは通常運用に直結するため優先したいですが、デザインやVI(ヴィジュアルアイデンティティ)ガイドラインなどは優先順位が低く、コーディング・HTMLガイドラインはCMSの導入が増えた現在では必要がない場合もあります。

また、最近ではWebアクセシビリティに関するガイドラインを作成する企業が増えてきました。

特に大企業を中心にその傾向が見られ、今後は規模を問わずどの企業でも作成が必須になるかもしれません。

これは、障碍者差別解消法の改正により配慮が義務化されたという理由もありますが、「我々はWebアクセシビリティについて考えて取り組んでいます」という会社の取り組みやブランドイメージの表名のためといった背景もあります。

企業ブランドをどうアピールするか、といった企業やWebサイトの在り方を考えないとガイドラインの作成はできません。

ガイドラインの作成にあたり「このようなデザインにします」「この仕様にします」というだけでなく、「このような意図があり、このような形で展開していく」と考えていく必要があるため、結果としてドキュメント化しない場合でも考えること自体は非常に有効であると思います。

そのような意味では必ずしもドキュメントとしてガイドラインを作成しなくても良いと言うこともできます。

様々な観点で本当に必要かを精査してガイドラインについて考えることが、自社のWebサイトがどうあるべきかを整理する良いきっかけになるのではないでしょうか。

一般的にはガイドラインは必要であるケースが多いです。ただし、遵守する価値や必要性を感じないのであれば意味はなく、ガイドラインがなくても運用が行える仕組みを作っていくという方法も非常に有効です。

また、単に「必要か不要か」だけではなく、「どういった意図があるのか」を検討し、必要なものは新たに作成・最適化することが重要です。

また、結果として作成しない場合でも、自社の運用状況を見直す過程がサイトの方針、会社の方針を見つめ直すきっかけになります。

様々な観点で本当に必要かを精査してガイドラインについて考えることが、自社のWebサイトがどうあるべきかを整理する良いきっかけになるのではないでしょうか。

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