こんにちは、キノトロープの濱田です。

この連載ではWeb担当者の皆様からいただいたお悩みに答えていきます。

本日のお悩みは下記です。

結論から言うと、システム化する部分・しない部分の範囲によって費用は多少変動すると言えますが、根本的にはCMSを導入して何を実現したいかということが影響するでしょう。

CMS化しない場合というのはHTMLを記述してWebサイトを作ることになります。

よくあるのは特設ページやランディングページなど、更新の必要がほとんどないページでは、HTMLを記述した静的な作りにして凝ったデザインにする場合です。ページ単位で見ると、この場合の費用はCMS化するよりも抑えることができます。

更新頻度はひとつのポイントですが、他の判断材料として「どういった目的でCMSを導入したいのか」も挙げられるでしょう。

CMSの導入目的が「Webサイトの更新だけを行うツールとして利用する」「更新したいコンテンツはニュース程度である」等であれば、CMS化の対象範囲は少なく、比較的安価な費用での導入が行えます。

一方でCMSを用いて自社の情報をより迅速に多くの人に届けたい、マーケティングとしての効果を期待したいという場合であれば、Webサイト全体への導入が理想です。

Webサイト内で更新頻度が高い部分、低い部分がありますが、頻度が低い部分は更新しにくくても構わない、という考え方ではなく、頻度に関わらず必要な時に更新できる土台をしっかり作っておくことが大切です。

また、ニュースの更新のためだけに導入など対象を一部分に絞れば費用面では安価に済みますが、反対にWebサイト全体のうち一部分だけを静的なページにする、といった形で対象を狭めても費用に大きな差は生まれません。

そのため、費用面に囚われすぎず、そもそもどういった目的でCMSを導入したいかといったことを見失わないようにしましょう。

前項ではCMS化するか否かの判断では「Webサイトをどのようにマーケティングに活用しようか」「どのような情報を届けようか」といったことがポイントであり、更新頻度もひとつの判断材料であるとお話ししました。

では、ページ単位での更新頻度に着目して考えてみましょう。
例えば、内容の更新は行わないものの、ページ内にニュースや開催予定のセミナー情報などを表示したい場合。

Webサイト全体をCMS化し、機能によって様々な情報を複数のページに表示できるよう情報の一元管理をしていないとCMSのポテンシャルは発揮できません。

ツールとしての活用方法を熟知している方は多くはありませんが、CMSは可能性を秘めたツールです。

1つのコンテンツを異なる形で出し分けることもでき、例えばWebサイトを訪れるユーザーごとに出し分けることも可能です。

Webサイトを通じてサービスを行うツールとしてはとても優れており、そのような点で最大限活用すべきであることは大いにあります。

懇意のベンダーさんがいる方はCMSの活用方法についてご相談してみてはいかがでしょうか。

Webサイトのリニューアルにおいては、CMSの導入や開発だけでなく、現状Webサイトからのデータ移行も費用面に大きく影響します。

静的な作りのWebサイトであれば一括での移行やヘッダー、フッター、導線の調整などで概ね完結する場合もありますが、CMSを導入し一元管理を行う場合、情報の粒度を整理してCMSに投入し直す移行作業が発生します。

また、Webサイトの規模にもよりますが、統一されていないデザインやHTMLで作られているものを均一化することが簡単ではない場合もあります。

予算やスケジュールの関係でCMS化をしたくても実現が難しい場合はどのように対応すべきでしょうか。

まず「現在どの程度ページが機能しているか」のデータを取る、といったことをよく行います。

確認するポイントとしては、アクセス数はどの程度か、アクセスに対して直帰は多くないか、などです。

例えばあるページへのランディング(そのページを入口としてWebページを訪問すること)が多いが、直帰数が多い場合「ニーズはあるもののページに何か問題があるのではないか」といったことが考えられ、問題を抱えたページを改修することによって機能の向上が見込めます。

一方でページごと削除することが望ましい場合もありますし、CMSのテンプレート化はせず、ヘッダー・フッターのみ手を加えて移行することもあります。

このようにデータをもとに優先順位を決定し、CMS化する範囲・しない範囲を線引きしていきます。

では、ひとつのカテゴリの中で、よく見られているページ、あまり見られてないページがあったとき、新しいWebサイトに移行する・しない、あるいは統合する場合の検討はどのように行うのでしょうか。

特集ページやコラム、ブログ、ランディングページなどの場合、個別で作りこんだものが多く、特定のページにアクセスが集中することも往々にしてあるため、ページ単位での精査が必要になります。

最初はカテゴリごとや10ページずつ区切るなど大まかな範囲で確認する場合もありますが、いずれにせよ最終的にはページ単位で行います。

一部大まかな線引きを行うものとして、よくあるものの中ではお知らせやニュースリリースがあります。

昔公開した情報を長期にわたって保存・移行するといったことは近年では少なく、多いのは3~5年、短いと2年以上前のものは削除といったこともあります。

情報の鮮度という意味で「そもそもCMS化するのか・しないのかを判断するとき、CMS化しないのであれば移行しない」というのもひとつの選択肢ではないかと思います。

CMS化して意味のあるコンテンツである「お客様ごとに寄り添った情報の提供ができる」ことに有効に活用できるのか「そもそも届けるべき情報なのか」「CMS化する価値があるのか」などは判断材料になるでしょう。

更新のしやすさで考えると更新が発生するかしないか、また費用はどう変わるのかといった考え方になってしまいがちですが、費用ありきではなく「そもそも移行をする必要があるのか」「移行をするとしてCMS化するのか、しないのであれば不要なページを削除してしまおう」と、プロジェクト全体での費用感を考えるべきです。

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