日本を代表するエンタメ会社様の公式サイト。
今回は、大規模サイトのリニューアルの際に、ユーザー満足度を飛躍的に引き上げた施策内容や、 クライアントの負担を最大限に減らすための、システマティックな手法などを紹介します。
プロジェクト概要
国内有数のエンタメ企業
12,000ページに及ぶ、Webサイト構築
約2年
POINT
課題
既存サイトで使用しているフレームワークのサポート期限切れに伴い、他のCMSへの移行が必須だった
ページが行き止まり構造になっており、検索もしづらく、ユーザーの使い勝手が悪い
12,000ページに及ぶ大量のデータの管理が不整備で、リンク切れも発生している状態
提案
サイト構造を整理し、関連情報の導線を充実。検索するたびに新たな出会いや感動を提供
既存の膨大なデータ量に加えて、日々更新される情報も即座にリニューアル後環境へ反映できるよう「データ変換プログラム」を開発。既存サイトのデータベースの内容を自動的に新しいCMSのフォーマットに変換し、反映できる仕組みを構築
ユーザーのニーズに合わせた「スマホファースト」の追求と、X(旧Twitter)とのSNS連携等による情報発信
成果
サイト内の導線を明確化したことで、ユーザーの回遊率が格段に向上
不要なページ遷移を解消し、アクセス解析の精度が改善
全体的なアクセス数を底上げ。ユーザーの認知を深め、定期的に訪れてもらえるサイト
背景/課題
当初の「サイトのバージョンアップ」から、
大規模サイトのリニューアルに発展
既存のフレームワークのサポート期限切れに伴い、
別CMSへ乗り換えを模索
もともとFuelPHPを使用し、公式サイトを運営されていた、日本を代表するエンタメ企業様。
既存のフレームワークのサポート切れに伴い、HeartCore CMSへの乗り換えを考え、複数の会社にお声がけをされていました。
当社はHeartCore CMSの代理店であり、大規模サイトの構築実績も豊富なことから、ご相談が寄せられたのです。
問題箇所を洗い出し、クライアントに提案

当初は「セキュリティの観点からバージョンアップが必要」という段階のお話でした。
しかし、大量のアクセス数があるにも関わらず、「ユーザーの動線が悪い」「好きなキャラクターのページなどで行き止まりになり、広がりがない」「絞り込みが難解で、必要な情報にたどり着けない」といった問題点を、当社で洗い出しました。
また、約12,000ページという膨大な量の情報管理が不整備で、リンク切れも発生している状況でした。
そこで「作り変えるのであれば、これを機会に大幅に改善を」と提案したところ、コンペに発展。
5社が参加する中、これまでお付き合いのなかったクライアントでしたが、企画内容が評価されました。
加えて、担当者の原作への深い理解と、提案への熱量も受注のきっかけのひとつになりました。
プロジェクトの
ポイントや工夫
コンセプトは
「観る人にも運営する人にも優しいサイト」。
システマティックにデータを移行

知りたいものを検索して終わりではない。
関連情報の導線を充実
ユーザーの不便さを解消するため、サイト構造を整理し、カテゴリー分けを徹底。
絞り込み機能を導入し、検索性を格段に向上させました。
また、ユーザーのニーズや視点を徹底的に分析。「このキャラクターを調べたら、出てくるストーリーやグッズの情報もわかる」「ストーリーで検索できる」といった導線を導入。
ユーザーが知りたい情報を見つけ、さらにその関連情報へと自然に広がる「感動」を実現しました。
ユーザーに合わせた「スマホファースト」を徹底
ニュースなどを横スクロールから縦スクロールに変更したり、美しく閲覧できるよう画像サイズを調整したりするなど、スマホでのUIを追求。
ニュースについては過去の記事の閲覧需要が低いことを考慮し、従来のページ番号によるページネーションを廃止。代わりに「もっと見る」ボタンによる表示方式に変更するなど、ユーザー目線に立った工夫を凝らしました。
SNSと連携し、最新情報を常に自動更新
「お知らせ」をWebサイトで公開すると同時に、連携しているXで自動的に投稿できる仕様に。
各種イベント(キャラクターの誕生日・アニメの放送日など)ごとに設定しました。
さらに「ネタバレ厳禁」といった場合については自動的に「投稿へのコメントを不許可にする」といった機能を盛り込みました。
データ変換プログラムの開発により、スムーズな大量データ移行を可能に

今回のプロジェクトにおける重要なポイントのひとつが、サイトの更新頻度の高さでした。
原作の発売日やアニメの放送日、キャラクターの誕生日など、大量の情報が発信される中、手作業で約12,000ページものデータを移行するのは不可能でした。
そこで、既存のデータベースを調査。
データベースへの更新は引き続き行いながら、そのデータがHeartCore CMSのフォーマットに合わせて反映されるように「データ変換プログラム」を開発。
既存データの移行と、最新データの変更を同時並行で進行する仕組みを整えました。
また、事前にカラム(項目)や情報の粒度など、「どのカテゴリーに、どのような情報が入るか?」を定義したテンプレートを設計。
この施策により、クライアントの作業を「サンプリングチェック」で済ませられるように、工数を大幅に削減しました。
成果
サイト訪問者は増加。
ユーザー体験は飛躍的に進化
サイトの健全化により、回遊性が向上
検索や絞り込み機能でサイト内の導線が明確になり、ユーザーの回遊性が格段に向上。
特に課題とされていた「一覧ページからの離脱」は、「一覧ページから詳細ページ」への動線を明確にしたことで、ユーザーが下層にたどり着けるようになりました。
これにより不要なページ遷移も解消し、アクセス解析の精度が上がったことで「どのカテゴリーに需要があるか?」などを的確に把握できるようになりました。
また、Xへの投稿を自動化したことにより、作業工程の削減にもつなげました。
アクセスが増加し、満足度も上昇
全体的にアクセス数が増え、アニメ放送日や漫画発売日、キャラクター誕生日などのイベントタイミングでは再訪率が大きく伸びるようになりました。
ユーザーが認知を深めるだけでなく、定期的に訪れるサイトになっています。
大規模プロジェクトを完遂し、信頼を獲得
大容量のデータを確実に移行し、公開後も障害なく稼働。遅延やトラブルが発生しやすい大規模プロジェクトを、スケジュール通りに完遂しました。
「最初は、どこから手を付けていいかわからなかった」というのが、クライアントの最初の率直な感想でした。
しかし、今回のプロジェクトを無事終えたことで信頼を得られ、他の案件もお任せいただいています。
メッセージ
大規模サイトのリニューアルでは、リスクを考慮した入念な計画や、システマティックな移行手段が有効
足元に目を向けた緻密なプランニングが重要
大規模サイトのリニューアルでは、「全体のサイト設計」とともに、「大量のデータを、どのように移行させるのか?」といった現場レベルの作業に目を向けることが重要です。 今回のプロジェクトでも、入念な計画立案があったからこそ、スケジュール通りに進めることができました。
システマティックに移行することで、工数を大幅に削減可能
大量のデータを移行するには、「移すための物理的な時間」「差分の最新情報を入力する」といった工程以外にも「チェック」が不可欠です。
自社で対応するフェーズであれば、社内体制を整えることで進めることができますが、クライアント側でのチェックがプロジェクトの肝のひとつになります。
例えば「12,000ページを全部チェックしていただく」のは、現実的ではありません。
そこで今回のように、事前に「どこにどんな情報を反映させるかを項目単位で定義」「テンプレート化を実施」「データ変換プログラムを導入」することで、 クライアント側での負担をサンプルチェックのみに圧縮。工数を大幅に削減しました。
事前に危機を回避し、徹底した管理体制で臨む
大規模サイトのリニューアルなどのプロジェクトを円滑に推進するためには、実績に即した知見とノウハウが求められます。
例えば、作業領域ごとに「手作業で対応すべき範囲」と「システム化・自動化によって処理すべき範囲」を適切に切り分けるといった、総合的な判断力は要となる部分です。
さらに、システム化においては、社内に開発技術があることも重要になります。
当社では、プランニングから開発、運用まで一貫して対応できる体制のもと、システマティックな仕組みづくりと丁寧なサポートで、クライアントの負担を最小限に抑えながら、確実な移行と品質維持を実現してまいりました。
豊富な事例を踏まえ、事前に「危険ポイント」を想定した上で、先回りして安全策を講じております。
複雑な要件や大量データの扱いにお悩みの企業様も、どうぞ一度ご相談ください。





