皆さんはWebサイトを運営するにあたり、自社のシステムだけですべてを成し得られていますか?
ページ数の多い大規模なWebサイトになればなるほど、自社のシステムだけでなく、各専門分野のASPサービスを利用されているかと思います。
例えば、ECであればカートシステムのASP、顧客管理であればマイページシステムのASP、ホテルやレストランであれば予約ASP、他にもサイト内検索やお問い合わせフォーム等、世の中には専門分野に特化したASPサービスがたくさんあり、皆さんも必要に応じて利用されていると思います。
しかし、運用において、自社のシステムでは、Webサイトに掲載するコンテンツを管理し、各専門分野のASPの制御はASPサービスに任せっきり…。そういった運用をしている企業が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、ユーザーに一連の体験を提供するために、ASPを含めたWebサイト全体で何をするべきなのかを解説します。
ASPの制御をASPサービスに任せっきりにしている場合、ASPサービスにより、下記のような弊害があります。
上記ような弊害により、デザインの統一が難しくなるほか、ユーザーが目的を達成するまでのステップが長くなる、ログイン情報がシステム間で引き継げない、閲覧履歴や顧客情報を元にしたコンテンツ提供ができず、マーケティングオートメーションのようなマーケティングツールも上手く機能しないなど、さまざまな問題が生じます。
このようなWebサイトは、ユーザーに最適なコンテンツを提供できないWebサイトと言えます。
ASPサービスを”そのまま”利用する場合、多くの場合、システムにおける課題は解決したとしても、ユーザーに最適化したコンテンツを提供し、最適なおもてなしができるWebサイトを実現することはできません。
システムに詳しい方であれば、「ASPサービスなんだから当たり前じゃん」と思われるかもしれませんが、Webサイトに訪れるユーザーにおいては、御社のWebサイトは無数にある中の1つにすぎません。
「当たり前だから」といって諦めていては、ユーザーに対して最適なサービス提供を行うのは不可能です。
だから、システムにおいても自社の都合ではなく、Webサイトに訪れるユーザーを第一に考え、ASPサービスともかかわりあっていかなければならないのです。
Webサイトに訪れるユーザーにとって、一番重要なのは「体験」です。
ユーザーが抱える問題を解決する情報、ユーザーが求めている情報がすぐに手に入る。そういったサービスレベルの高い対応が、Webサイトにも求められています。
そして、それを成し得るためには、ユーザーに最適な情報を最適なタイミングで届ける必要があります。
スマホ時代では、そういったユーザーニーズがより顕著になっています。
PC時代であれば、ユーザーは能動的に情報を探し、多少の不便があったとしても、求める情報を入手するためにWebサイトに寄り添って自身の求める情報を探してくれていました。そして、Webサイトに対する知識も比較的高い状態にありました。
それがスマホ時代では、普段インターネットをあまり使わないユーザーもWebサイトを閲覧するようになり、Webサイトに対する知識レベルも低く、そして欲しい情報がないとすぐにWebサイトを離れてしまう。総じて、とても”わがまま”なユーザーが大半を締めるようになりました。
こんな状況だからこそ、これまで以上にユーザーごとに最適な対応を行わなければ、売上などの成果につながらない、厳しい状況になっているのです。
ユーザーの体験を第一に考えると、必要な情報が必要な時にすぐに手に入る状態を、高いレベルで提供しなければなりません。
今までは、ユーザーが求める情報を探すことを前提に考えていたので、「探しやすい」Webサイトを目指していました。ですが、今のユーザーは、欲しい情報が見つからなければ、すぐに離脱します。
だから、これからはそもそも「探させない」対応が求められます。
ユーザーに探させるから迷ってしまい、良い体験が得られずにWebサイトから離れていってしまうので、ユーザー自身が意図的に探す必要がないように、ユーザーに最適な情報を最適な場所に”わかりやすく”提供することが、今後は求められます。
また、Webサイトに対する知識レベルに依存しないような操作方法や完了するまで手順も整理しなければなりません。初めて訪れた方でも、誰でも”かんたん”に目的を成し得られるように導く必要があるのです。
さらに、すぐに目的が”すばやく”達成できるスピード感も求められます。
これはシステム的な表示速度も含まれますが、重要なのはユーザーの問題が解決されるまでのスピードを指します。
完了するまでの手順が複雑であったり、その理由がASPの仕様上のものだったりすると、どうしても”すばやく”目的を達成することができません。
だからこそ、今後ますます重要になる”わかりやすく・かんたんに・すばやく”を成し得るために、自社のシステムだけでなく、ASPも含めたWebサイト全体の在り方を見直す必要があるのです。
Webサイトに訪れるユーザーを最優先に考えると、ユーザーごとに対応を変える必要がありますが、企業によっては訪れるユーザーも異なりますし、目的も違います。
現在、提供されている多くのASPサービスはパッケージ製品です。
さまざまな企業で利用できるように汎用的に作られている関係上、なかなかユーザーに寄り添ったきめ細やかな対応は難しい場合がほとんどです。
また、カスタマイズが可能なASPサービスであっても、システムの基本的な作りまで変えることは難しく、要望しても断られることがほとんどです。
何も「すべて自社システムで成し得るべきだ!」と言っている訳ではありません。
もちろん専門特化したASPは、専門的な機能が豊富で利用するメリットは企業にとっても、ユーザーにとってもたくさんあります。むしろどんどん利用した方が良いでしょう。
そこで、"CMSでコンテンツ・表示をすべてコントロールできるか"が重要なポイントになります。
このポイントさえ押さえておけば、Webサイトに訪れるユーザーに対して最適な体験を与えることができます。
ユーザーの体験に一番影響するのは、やはりユーザーが目にし、触れるところです。
いくら裏側のシステムをしっかり作りこんだとしても、Webサイトに訪れるユーザーにとっては関係がありません。最低限、ユーザーに関係のある部分を最適化できなければ、そのASPは足かせでしかないでしょう。
WebサイトとASPサービスを含めた、一連の体験をしっかりと考える上で、CMSはとても重要な存在です。
実際にユーザーに提供するコンテンツを管理するのがCMSですが、CMSはコンテンツを管理するだけでなく、”どんなユーザーに、どんなコンテンツを、どんな方法で、いつ提供するか”、それらもすべて制御することができます。
Webサイトのコンテンツを完全に制御することで、ユーザーに最適な情報提供を行い、ユーザーが次に何を行うべきか、ゴールへ向けた次のアクションに対する導線も表示上で調整することができます。
そのCMSのメリットを利用し、ASPサービスの表示側まで一緒に管理することで、ASP上でも素晴らしい体験を与えることができます。
また、ASPサービスを利用するメリットである、”専門的なシステム”も裏側の制御のみに注力し、Webサイト全体の役割分担、すみわけを整えることによって、一貫したサービス提供を可能にします。
要するに、表示側の制御とコンテンツ管理をCMSで完全に制御することで、下記が可能となります。
表示側と仕組み側を完全に分離して考えることで、ASPを含めた、一連の体験をシナリオとしてしっかりと考え、提供していくことが可能になります。
また、表示側と仕組み側を完全に分離することで、今後、スマホ以外の新しいデバイスが登場しても、仕組み側を変更することなく、そのデバイスにあった最高の体験を提供できるように、表示側の調整だけで対応することができるのです。
ASP含め、ユーザーに一連の体験を与えるには、表示側と仕組み側を分けて考える必要があります。
さらに、CMSでコンテンツ管理から表示側の管理までを行うことにより、ユーザーの体験を完全に制御することが可能になります。