こんにちは、キノトロープアカデミーです。

「キノトロープアカデミー」は、Web業界のトップランナーである株式会社キノトロープの社員が講師を務めるオンラインアカデミーです。リモートワーク時代に不可欠な「個のスキル」を高め、職人のような「匠」を目指す人を増やしたい。そんな願いを込め、基礎から経営判断、業務フローまで、一生モノのナレッジを惜しみなく公開していきます。

<初級編 第15回>
文章のセルフチェック(後編) についてお伝えします。

担当は濱田です。

Webサイト内で専門用語や名詞の表記がバラバラだとユーザーが混乱するため、社内共有できる「表記ガイドライン」の作成や「一括置換」機能を効率的に用いてサイト内の表記を統一することが不可欠です。

また、同じ言葉の繰り返しや過剰な敬語、メッセージに不要な言葉といった文章の「ノイズ」を削ぎ落とすことで、ユーザーに要件がスッと伝わる「明瞭にして簡潔」な文章へと磨き上げることができます。

これらのチェックを行う際は、前回の誤字脱字等と同様に「表記統一だけを見る」「文章のノイズだけを取る」とそれぞれ明確にテーマを決めて見直すアプローチが非常に効果的です。

” 文章のセルフチェック”をテーマに、
今日お伝えしたいことは2つあります。

前回のおさらい前回の動画で、文章のセルフチェックには、一度プリントアウトして、視点を変えながら、複数回見直すと良いというお話をしました。チェックの順番はご覧の通りです。


1.        誤字脱字


2.        固有名詞・電話番号


3.        表記統一


4.        文章のノイズ

1の誤字脱字、2の固有名詞・電話番号の間違いは、ビジネス上の文章で「あってはならない」誤りです。まずここは、絶対に間違わないようにしましょう。

前回の記事をご覧になっていない方は、ぜひ一度ご覧ください。

今回は、3の表記統一、4の文章の「ノイズ」の取り方を見ていきます。チェック方法としては、1や2と同様、「表記統一だけを見る」「文章のノイズだけを取る」という風にテーマを決めて臨みます。

Webサイト内で専門用語の表記が統一されていないと、読んでいるユーザーが迷い、コンテンツの内容が伝わりにくくなってしまいます。

そうした事態を避けるための有効な手段は、「表記ガイドライン」を作成することです。キノトロープ社内でも下図のような「表記ガイドライン」を作成しています。



大事なのは、このガイドラインが「社内の誰もが、いつでも閲覧できる」状態にあることです。弊社では、このリストをイントラに掲載しています。

社員はこのガイドラインに従い、キノトロープの名を冠して行うすべてのアウトプットの表記が統一されるよう、セルフチェックしています。

例えば、ウェブは頭大文字の半角英字(Web)で表記しますし、「お客様」の「様」は漢字、「サーバ」は最後を伸ばさないなどです。

表記ガイドラインを制定し、チェックしやすい状況を作っておくことで、文章を書く社員によって表記が異なるという事態を防げます。

ひいては、Webサイトでお客様が迷わない、分かりやすい表示となります。特にブログなど、コンテンツを書く人数が多いWebサイトの場合は、必須と言える施策です。

もう1点注意したいのは、名詞の表記の揺れです。

例えばWebサイトの説明で「オフィシャルWebサイト」を、他のページでは「公式HP」や「本体サイト」と書いたり、「ECサイト」を他では「オンラインショップ」「販売サイト」などと書いていると、ユーザーが混乱してしまいます。

このような事態を避けるため、「同じモノ・コトは同じ表記で書く」ことが必須となります。どの言葉にするかは各々で決定すれば良いですが、ここで重要なのは、「いずれかに統一する」ことです。

専門用語以外にも、「これ漢字表記かな?ひらがなの方がいいかな?」と迷うときがあります。その際、私は共同通信社の「記者ハンドブック」を一つのリファレンスとしています。



これは、新聞記者や放送関係者が利用している「日本語のルールブック」で、編集者時代から30年近くにわたり愛用している一冊です。

本書は「分かりやすくやさしい文章・言葉で書く」ことと「できるだけ統一した基準を守る」ことを原則としています。



ですので、こちらの表の通り、不必要に難しい漢字は使わない方向で表記を定めています。新聞記事が読みやすいのは、ここで定められた表記の基準を各記者が守っているからです。

今やネットは一般の方が使うものですから、長年に渡って培われてきた新聞の読みやすさをWebサイトにも取り入れてみましょうか。

実際のチェックは、プリントアウトした原稿で「表記が揺れていないか」だけを見ていきます。その際、文中の全ての「下さい」を「ください」に置き換えるなど、言葉が明確かつ大量にある場合は、Excelなどツールの「一括置換」機能を使うと、作業を効率化できます。

最後に、セルフチェックで文章の「ノイズ」を取るやり方を説明します。固有名詞などと違い、致命的な間違いではありませんが、ノイズを取ることで、よりユーザーが理解しやすい文章となります。

主だった文章のノイズは、以下の3点となります。


1.        同じ言葉の繰り返し


2.        過剰な敬語


3.        メッセージを伝えるのに不必要な言葉

まず一つ目は同じ言葉の繰り返しです。

初級編 第9回「Webで伝わる文章の書き方」でも少し話しましたが、文章内に同じ言葉が何度も出てくると、主語・述語の関係が見えにくくなり、結果としてユーザーが分かりにくい文章となってしまいます。



例えば画面の文章では、一文目でCMSとWeb構築に強みがあることを明確に伝えているわけですから、言葉を繰り返すとユーザーに押し付けがましい印象を与えてしまいます。実際、伝えたいことは、下段の文章で事足りています。

文章を書いている最中はなかなか気づきにくいですが、冷静になって読み返してみると意外とこのような繰り返しをやってしまっているものです。

また「~ことができる」という表現も連続して使いがちです。



私も、編集者駆け出しのころは文字数を稼ぐために「~ことができる」 を連発していました。しかし、ご覧のように冗長で稚拙な印象を与える文章になってしまいます。

これも書いている最中は気づきにくいため、下段のように、語尾を適切なものに置き換えます。例えば、「見ることができる」は「見られる」という言葉に置き換えられます。

「~ことができる」と書くのが癖になっている方は、セルフチェック時に「他の言葉に置き換えられないだろうか?」という意識を持つと良いでしょう。

言葉の繰り返しでもう1点、「~こと」は、様々な事象を名詞化するのに便利な言葉です。しかし、「~することができる」と同様、意識しないとつい連続して使ってしまいがちです。



上の文章でも一応要件は伝わりますが、「こと」の連続がノイズとなって内容がスッと入ってきません。

下段のように、「相互理解」という名詞や「重要だ」と言い切る形に置き換えて文章をスッキリさせます。

ここまで、「文章のノイズ」として「同じ言葉の繰り返し」について解説しました。次に「ノイズ」となりうる要因の2つ目である「過剰な敬語」を見ていきます。

ビジネス上、ていねいな言葉を使わなければならない場面は多々あります。私はどちらかと言うとていねいな言葉使いを好みますが、ていねいも過ぎると冗長になります。



例えば、上段のような文章です。サイト全体がこのようなトーン&マナーでは、テキスト量が無駄に増え、ユーザーの使い勝手が悪くなってしまいます。

下段の「ご了承ください」で十分にていねいですし、そもそも要件を伝えるという意味では、「当サービスはオプションとなります」だけで事足りています。

次に、過剰と言うより、余計な謙譲語を見ます。「~させていただく」という謙譲語は一見上品ですが、対象を間違えると意味が通りづらくなります。



上の文章のようにへりくだる相手が不明な場合、逆に聞き手に不快感を与えかねません。

ここは、「先日ニューヨークへ行ったのですが」が正です。これで6文字も文章をシェイプアップでき、回りくどさが解消されます。

不必要な敬語が多用された文章からは、「取り敢えずていねいにしておけばいい」という思考停止が見て取れます。

実務的なWebサイトでは「要件を正確に伝えること」を優先すべきです。

Webサイトとしての「ていねいさ」は、言葉使いより「本当にお客さまが必要とする情報が掲載されているか」や「サイト構造」に現れると、私は考えます。

それでは文章の「ノイズ」の最後として、「メッセージを伝えるのに不必要な言葉」を見ていきます。



画面の文章でユーザーに伝えたいメッセージは、「転載の禁止」です。そう考えると、上の文章にはメッセージに不要な言葉(ノイズ)が入っていることになります。

下段のように書き換えると文章がスッキリし、よりメッセージが伝わりやすくなります。

もう1点、ご覧のような文章もよく目にします。



ユーザーに「圧」をかけたくない気持ちは分からなくもないですが、ここで最も伝えたいのは、「ユーザーに資料を見てもらう」ことです。下段のように、ストレートにメッセージを伝えるようにしましょう。



以上、文章のセルフチェックにおける「ノイズ」の取り方について見てきました。

私は、実務的なWebサイトにおける文章は「明瞭にして簡潔」であるべきだと考えます。回りくどくない表現で、ユーザーにメッセージを伝えることこそが、Webサイトの目的であると考えるからです。

ただし、ノイズの取り方は文章の書き方そのものに通じる話のため、凝りだすとキリがありません。

時間の無い中では、あくまで誤字脱字や固有名詞、電話番号の間違い潰し、表記統一を優先し、文章のノイズに関しては執筆時から気を付け、できるだけ簡潔に書くよう心がけましょう。

最後に、本日の講義のポイントを3点挙げておきます。


1.        同一Webサイト内では表記を統一する


2.        表記統一にはガイドラインが有効


3.        セルフチェックで文章のノイズを取り、ユーザーが分かりやすい文章を

文章のセルフチェックは、Web制作だけでなくメールや企画書などあらゆるビジネスシーンで必要とされます。これまで実践されてこなかった方も、習慣付けておいて絶対に損はないスキルだと確信しています。

最後までご覧いただきありがとうございました。



の2点についての内容でした。

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