こんにちは、キノトロープアカデミーです。

「キノトロープアカデミー」は、Web業界のトップランナーである株式会社キノトロープの社員が講師を務めるオンラインアカデミーです。リモートワーク時代に不可欠な「個のスキル」を高め、職人のような「匠」を目指す人を増やしたい。そんな願いを込め、基礎から経営判断、業務フローまで、一生モノのナレッジを惜しみなく公開していきます。

<Web担当者に喝!!編 第6回>
仕事でWebサイトに関わるなら、“コンテンツ”が果たすべき3つの役割を知っておけ!についてお伝えします。

担当は生田です。

Webサイト制作の本質とは、見た目のデザインを整えることではなく、ユーザーの抱える問題を解決するための「ソリューションコンテンツ」を提供することです。

ユーザーのニーズ(必要性)をウォンツ(欲求)へと変えるためには、基本情報の提供だけでなく、啓発や学習、そしてワクワクするようなエモーショナルな情報という3つの役割を果たすコンテンツ設計が不可欠となります。

これからのWebサイトには、技術やデバイスの進化に合わせるだけでなく、コンテンツとレイアウトを最優先に考える「コンテンツファースト」の姿勢が求められます。

”「なにを・いくらで・いつまでに」は制作依頼の必須条件”をテーマに、
今日お伝えしたいことは3つあります。

私たちはWebサイトの制作会社なので、当然「Webサイトを制作してください」という依頼をいただきます。しかし、お客様の問題を解決する情報がなければ、どんなコンテンツを掲載していようとも、Webサイトとして機能していないと言えます。

そもそも「コンテンツ」とは「情報」のことです。情報には、商品情報から問題を解決するようなソリューション情報まで幅広いものがあります。しかし、それらが見込み客の欲しい情報であり、「お客様のニーズに最適化」されていれば、商品情報であっても十分にソリューションであり、コンテンツと呼ぶことができます。

ところが、この「コンテンツ」の意味がなかなか理解されていません。なぜなら、Webサイトそのものが「お客様の問題を解決するツール」であるという根本を理解していない人が多いからです。私たちは25年以上Webサイトを作っていますが、その当初から「Webサイトはお客様の問題解決ツールである」と言い続けてきました。

つまり、お客様の問題を解決する情報がなければWebサイトとしては機能しませんし、Web制作会社がやるべき仕事とは、Webサイトを作ること=ソリューションコンテンツを制作することに他ならないのです。

私が普通の広告制作などからWeb業界に入ってサイトを作り始めた頃、少し驚いたことがあります。それは、カタログデータなどの素材を集めてWebサイトに落とし込むだけの、まるで印刷会社がやるような仕事が最初の業務だったことです。

レイアウトをするのでデザイナーの作業の一部は担っていましたが、やっていることはほとんど「印刷」でした。そのため、自分たちではまだ本当の意味での「Webサイトは作っていない」という認識でした。情報を整理して絵を作り、アウトプットするだけの、印刷に毛が生えたような状態だったからです。

残念なことに、「Webサイトを作る」という行為が、このように「印刷をする」ことと同じように理解されてしまいました。なぜそうなったかと言えば、Webサイトが一番最後に出てきたメディアだったからです。

カタログなどの様々な既存メディアにすでにコンテンツが存在しており、Webサイトはそれを整理して載せる場所だと思われてしまったのです。

「データはカタログから拾ってくれ」と言われるように、素材はいろいろなところから集めればいいと考えられた結果、注力する部分が見た目のデザインだけになってしまいました。

Web担当者がそう思ってしまうのは仕方のない面もありますが、問題はWeb制作側の意識にあります。制作側まで「印刷屋さん」のようになってしまい、カタログデータをもらって「これでやりますよ」という話で終わってしまうのが大きな問題なのです。

Web制作会社がやるべきことは「コンテンツを作る動的な作業」だと理解しなければなりません。しかもそれは、お客様の問題を解決するためのソリューションコンテンツです。これが提供されて初めて、お客様との関係作りがスタートします。

リアルの世界では難しい施策であっても、Webならソリューションコンテンツの内容次第で実現可能です。なぜなら、Webにはユーザーが何らかのニーズを持って、検索などを通じてわざわざ自ら来てくれる「プル型」のメディアだからです。

だからこそ、お客様が求めているニーズに最適化したソリューションを渡すことができれば、非常に良い関係を築ける素晴らしいツールになります。お客様が欲しくもないものを一方的に押し付け、「新製品です!」と画面上でグリグリと動かすような見せ方をしていては、全くダメなのです。

いま一度、「コンテンツとは何か」を考えなければならない時代です。仕事でWebサイトに関わる人にとって、コンテンツとはニーズを「ウォンツ(欲しいという思い)」に変える情報であり、まさにマーケティング施策そのものです。

よく「コンテンツマーケティング」を行っている人たちが、ランディングページなどの一部のパーツに対して施策を行っていますが、そうではありません。Webサイトそのものが、コンテンツマーケティングに対応していなければならないのです。

そして、コンテンツが果たすべき役割には以下の3つがあります。


ニーズに対する基本情報やソリューション情報の提供。


価値を見出すための、啓蒙や学習のための情報提供(「それって何?」という疑問に答える情報)。


エモーショナルな情報の提供(「これを使ったらどんな暮らしや人生になるのか」と、自分がどう変わるかを想像できるような情報)。

ニーズに応えて価値を見出し、エモーショナルに訴えかけなければ、コンテンツとして意味がありません。単なる基本情報だけではソリューションになりにくいですが、Webの凄いところは、顕在化したニーズを持つ人が見れば基本情報すらソリューションになり得る点です。

しかし、だからといって現状に甘んじるのではなく、載せているものをよりソリューション化していく必要があります。それを作るのが制作会社の役目であり、ソリューションになっているWebサイトこそが、本当に「機能しているWebサイト」と言えます。

現在はスマートフォンやマルチデバイス対応、さらにはOne to One対応など、見せ方や技術が新たなステージを迎えようとしています。しかし、そうしたデバイスやエンジニアリングが日々進歩している一方で、コンテンツだけが置いてけぼりになっています。「スマホだから」「PCだから」という見せ方の話の前に、そもそもソリューションとなるコンテンツが必要であることを理解しなければなりません。

私たちは「CMS」という基盤を作ることを生業にしています。なぜCMSをお勧めするのかといえば、「コンテンツを出し分けて、お客様のニーズに応えたい」という気持ちがあるからです。今では多くのお客様にその必要性を理解していただけるようになりましたが、ここで一つ、困った問題にぶち当たっています。

それは、「出し分けるべきコンテンツがない」ということです。これまではカタログ情報などの既存データに頼り、初級者だろうと上級者だろうと、1種類の汎用的なコンテンツしか提供してこなかったからです。

他のメディアにはコンテンツを出し分ける概念がないため、そうした汎用的なデータをそのままWebに持ってきても使い物になりません。「CMSで一元管理してOne to Oneで出し分けよう」と、よりお客様のニーズに最適化しようとした瞬間に、肝心のコンテンツそのものが存在しないという壁にぶつかってしまうのです。

私は「コンテンツ制作そのものが、Webサイトの制作である」と断言します。そして、Webサイトの基盤を支えるデータこそが、このソリューションコンテンツです。しかし、多くのWebサイトがまだこのスタートラインにすらたどり着いていません。

コンテンツをお客様にどんな順番で、どんなデザインで提供するか、コンテンツそのものを考えることこそがWeb担当者や私たちの仕事です。

ですからぜひお願いしたいことは、Webサイトの制作を単なる「印刷費」として捉えないでいただきたいということです。写真を撮ったり動画を撮ったりするコストも含め、コンテンツを作るための予算をしっかりと確保してほしいと思います。

「自分たちではソリューションを作れない」と思うのであれば、基本情報やターゲットの整理を行い、それをプロに任せて、一緒にどんなソリューションにするかを考えていけばよいのです。

もう一つ、大きな問題があります。それは、デザインは「コンテンツありき」だということです。キノトロープでは、Webサイトに必要なコンテンツを「ユーザー体験シナリオ」で洗い出し、洗い出されたコンテンツをページ単位で構成要素にまとめていきます。雑誌で言う「完全先割」のように、どこにどんなコンテンツが入るかをまずレイアウトして決定するのです。

この構成を決定してからグラフィックデザインを行った方が、より良いデザインができます。一般的な「デザインのイメージ先行」でレイアウトを決めるやり方では、ユーザーにとっての「見やすさ」という要素が含まれにくくなってしまいます。

グラフィックデザインをする前に、まずコンテンツとレイアウトが存在していなければなりません。

Webにおいて、情報が「どの順番に見えるか」は非常に重要です。お客様が見たい順番に情報がなければ、すぐに離脱してしまいます。逆に、基本情報であっても見たい順番にレイアウトされていれば、しっかりと読んでもらえます。

ですから、コンテンツとレイアウトを固め、その後にグラフィックデザインが入るという順番で考えなければなりません。

「それって全部デザインの仕事でしょ?」と思う方はプロでしょう。分かりやすくするためにあえて「グラフィックデザイン」と区別して話していますが、これこそがデザインのやり方そのものなのです。

つまり、「コンテンツファースト」の考え方がデザインの質にも、お客様ニーズの最適化にも影響します。Webサイトそのものが、コンテンツファーストの時代にならなければいけないのです。

今日のまとめです。


Webサイト制作の本質とは、ユーザーのニーズに対するソリューションコンテンツを提供することと心得よ!


お客様のためのコンテンツでなければ、Webサイトで成果を出すことはできない。


すべては、お客様の問題解決のために!

本日はここまでとなります。どうもありがとうございました。

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