こんにちは、キノトロープアカデミーです。
「キノトロープアカデミー」は、Web業界のトップランナーである株式会社キノトロープの社員が講師を務めるオンラインアカデミーです。リモートワーク時代に不可欠な「個のスキル」を高め、職人のような「匠」を目指す人を増やしたい。そんな願いを込め、基礎から経営判断、業務フローまで、一生モノのナレッジを惜しみなく公開していきます。
<Web担当者に喝!!編 第4回>
ログ整理とアクセス解析を混同しているWeb担当者に喝!ユーザーニーズ分析には仮説が必要と心得よ
についてお伝えします。
担当は生田です。
多くのWeb担当者が陥りがちな「アクセスログのグラフ化やレポート作成」は、単なるデータの整理に過ぎず、本当の「アクセス解析」とは異なります。
本物のアクセス解析とは、事前にユーザーの動きを予測した「仮説」を立て、それが実際の動線とマッチしているかを答え合わせする「検証作業」に他なりません。
成果の出るWebサイトへと成長させるためには、数字の向こう側にいるユーザーのニーズを分析し、すばやく修正を繰り返すPDCAの仕組みを構築することが不可欠です。
「アクセスログを一所懸命グラフ化してレポートにまとめ、それだけで仕事をした気になっている」――そんな状況に心当たりはありませんか?厳しいようですが、それは単なる「ログの整理」であり、本当の「アクセス解析」とはまったく別物です。
Web運用の現場では、当然のように「アクセスログを出してほしい」という依頼が飛び交います。Webの歴史が始まって20年近く経ちますが、この件に関する本質的な課題は昔から何も変わっていません。
多くのWeb担当者、そして制作会社までもが、「アクセスログとは何か」を根本的に理解していないのが現状です。「ツールを導入すればすぐに解析ができる」「ログがあれば何とかなる」と思われがちですが、そもそもログを有効活用するための設計がWebサイト自体に施されていなければ意味がありません。
設計のないサイトのログを見ても、「この商品ページはアクセスが多いね」という、売上状況から見れば誰もが最初から分かっているような「人気投票」の結果を確認するだけで終わってしまいます。
現場の担当者からよく聞かれる「ログの見方がわからない」「どう生かせばいいかわからない」というモヤモヤした悩みは、至極当然のことです。なぜなら、それは「解析」をしておらず、ただの「数字の整理とレポート」を眺めているだけだからです。
ツールに並んだ数字をグラフ化しただけで「解析です」と言われても、そこから次に起こすべき具体的なアクション(To Do)が見えてこないのは恥ずかしいことではありません。
では、単なるログ整理ではない本当の「アクセス解析」とは何でしょうか。
一言で言えば、アクセス解析とは「お客様のニーズ最適化」ができているかどうかを確認する作業仮説・検証のスキーム(仕組み)」です。
あらかじめ「お客様のニーズや動き」を想定し、それに基づいて構築したWebサイトの構造やレイアウトが、実際のユーザーの使い方にマッチしているかどうかを答え合わせする作業なのです。
キノトロープでは、Webサイトを作る前に、ユーザーの動きを予測した仮説の設計図を作成します。これは一般的に「ユーザー体験シナリオ」「ペルソナ」「カスタマージャーニーマップ」などと呼ばれるものです。
この仮説を立てる工程こそが、Web構築の最初の一歩であり、アクセス解析の絶対的な前提条件となります。事前の仮説がなければ、本当の意味でのアクセス解析は存在し得ません。
ここで重要なのは、2つの「どうせん」を意識することです。ここでは導線(予測したルート)は検索エンジンなどからサイトへ導く線、および事前の予測のことで、動線(実際の動き)はユーザーがサイト内で実際に動いたルートを指します。
アクセス解析の本質は、この「予測した導線」と「実際の動線」を比較する検証作業にあります。自分の立てた仮説がユーザーにマッチしているか検証し、ズレていれば再度仮説を立て直して修正する。
Webサイトが他のメディアより優れているのは、この仮説・検証を繰り返すことで、時代の変化やユーザーのニーズに合わせてリアルタイムに変革・成長させていける点にあります。
どれほど目標を達成できているかを定量的な数字でリアルタイムに確認できるのが、Webというマーケティングツールの素晴らしさなのです。
膨大なアクセスログと日々格闘し、どれだけ詳細にデータをExcelにまとめ、高度なグラフを作成したとしても、ログの数字の中に「サイトをどう変えれば良くなるか」という具体的な答え(改善策)が自動的に浮かび上がってくることはありません。
ログから見えるのは、あくまで「現状のニーズ」だけです。しかし、手元にあるアクセスログが全く無駄になるわけではありません。
現状のログにはユーザーのニーズが一定の形で現れているため、Webサイトを再構築・リニューアルする際の「仮説を立てるためのベース資料」としては非常に有益なヒントになります。ゴール設定やコンテンツ設計の裏付けロジックとして、過去のログを大いに役立ててください。
これからアクセス解析を正しく実践していくためには、まずキャンペーンサイトなどの小さな案件からでも構わないので、「仮説を立ててから作る」というプロセスを始めてみてください。
すべてのボタンに網羅的にタグを埋め込むようなやり方は、分析の手間と時間が膨大になるだけで効率が悪く、結局何も見えてきません。
「仮説を検証するために、本当に見るべきポイントはどこか」をあらかじめ絞り込んでおくのです。チェックすべきポイントが明確になっていれば、取得するログも確認するデータも最小限で済み、分析にかかる時間は劇的に短縮されます。
本日のまとめになります。
まずWebサイトの効果(ゴール)を定義して仮説を立てます。次に、実際のユーザー動線を検証し、課題があれば素早く改善します。これこそがWebサイト運用におけるPDCAだ。
このPDCAサイクルを回すために必要な「仮説」と「検証」の指針となるのがアクセス解析であり、事前に仮説があるからこそ、初めて有意義な検証が可能になる。
アクセス解析は、ユーザーニーズ解析!
サイト設計の基盤になる仮説の検証そのものであり、その検証は「お客様のため」でなければ、Webサイトで成果を出すことはできない。
最後までご覧いただきありがとうございました。





