こんにちは、キノトロープアカデミーです。

「キノトロープアカデミー」は、Web業界のトップランナーである株式会社キノトロープの社員が講師を務めるオンラインアカデミーです。リモートワーク時代に不可欠な「個のスキル」を高め、職人のような「匠」を目指す人を増やしたい。そんな願いを込め、基礎から経営判断、業務フローまで、一生モノのナレッジを惜しみなく公開していきます。

<中級編 第18回>
合理的かつ堅実なスケジュールの立て方
についてお伝えします。

担当は濱田です。

精度の高いスケジュール管理は、過去の実績をナレッジとして組織で共有し、抜け漏れのない詳細なタスクを体系的に洗い出すことから始まります。

計画の策定においては、開始日からの積み上げではなく納期から逆算(減算)するアプローチを徹底することで、限られたリソースにおける現実的な調整を可能にします。

さらに、プロジェクト全体の成否や納期短縮の鍵を握る「急所」であるクリティカルパスを的確に把握し、遅延の致命傷を避ける堅実な進行体制を構築します。

”合理的かつ堅実なスケジュールの立て方”をテーマに、
今日お伝えしたいことは4つあります。

プロジェクトを推進するにあたり、重要となるのがスケジュールです。

しかし、とても重要なのにもかかわらず、このスケジュールは担当者によって品質が大きく異なり、プロジェクト自体の質に対しても担当者次第で当たり外れが発生してしまうことも多々あります。

プロジェクトは限られた期間、予算、リソースの中で、いかに合理的かつ堅実に目的を成し得るのかが重要です。そのための地図ともなりえるスケジュールの立て方自体が、感覚的に行き当たりばったりで作成してしまっている方も実は多いのではないでしょうか。

今回は制作会社向けに、形だけでなく合理的かつ堅実なスケジュールを立てるポイントを4つ紹介します。

精度の高いスケジュールを立てるには、いかにタスクを正確に、精度詳細に明確化できるかということ、それに尽きます。
合理的かつ堅実なスケジュールを立てる上で、タスクが明確化していることは大前提であり、最重要ポイントです。

タスクが明確になっていないスケジュールは意味を成しません。結局予定通りにも進みませんし、予定外タスクによって進行も場当たり的に対応していくことになってしまいます。そのため、タスクの全量を洗い出し、その精度も限りなく高くすることが重要となります。

タスクを洗い出す際には、いきなり詳細タスクを列挙していくのではなく、大枠の概要から徐々に詳細タスクへブレイクダウンさせていくようにしましょう。



図のように大カテゴリ、中カテゴリ、小カテゴリというイメージを作成します。いきなり詳細タスクの列挙を行ってしまうと、そのタスク内容が適切か、抜け漏れが無いか等を確認することが難しいからです。

必ず大枠の概要を策定し、まずは概要レベルでチェックします。そこからレベルを下げ、詳細化したものを概要毎の中身内でチェックしていきましょう。

このように概要から詳細へ落とし込んでいくと、必要タスクの漏れを防ぐことができます。



もちろん、それでも自由にやりたいことをタスク化して列挙していくのでは際限がありません。必ずやるべきタスクは見積と相対させながら進めましょう。

予算に対してやることが合っていなければ、やることを減らさなければなりません。予算に応じたやり方仕方の調整、期間や回数の調整等を行い、見積に適したタスク内容へと精緻化する必要があります。

タスクが明確になったら、ここでスケジュールとしてタスク期間を時系列に当てはめていきます。

ポイントは、頭から積算ではなく、後ろから減算していくイメージでスケジュールを立てるということです。



頭からタスクに必要な期間を足していくと、あっという間に数年がかりの大プロジェクトになってしまいます。しかし、時間もリソースも無限ではありません。これでは現実感がありません。

そのため限られた期間、限られたリソースの中でいかに目的を成し得るのか、限られた時間の中で何を行うのか、どの様に行うのか、やり方仕方を検討していきます。

プロジェクトはただ思いついたタスクをこなしていくのではなく、いかに合理的に物事を進めていくか、そこを試行錯誤して推進する必要があります。

そこで、現実的な納期から逆算する形で必要タスクを入れていきます。限られた中でやりくりするようにスケジュールを策定するということがポイントです。

例えば詳細タスクの洗い出しを行い、やるべきタスクは明確で正確だが期間が短い場合は、複数タスクを同時進行で行う、1回当たりのMTGの議題を増やすなど、やり方仕方の調整を行います。

逆に、期間に余裕があるが予算が無い場合、MTGの回数を減らす、よりやることを絞ってタスクを軽減する、短い期間で集中的に行うなどの対応が考えられます。

特に成果物を確認・承認するための期間、検討に費やせる時間などは、やることは同じだが納期によって調整が比較的行いやすい期間でもあります。

後ろからスケジュールを立てることによって、調整が必要な部分が明確になり、よりスケジュールを正確なものにするだけでなく、見積にも合致した、意図したプロジェクト進行を行うことが可能となるのです。

プロジェクト進行にかかわるタスクには様々なものがありますが、中にはとても重要となるタスクが存在します。

それは、その一連のタスクが遅延することによって、プロジェクト全体にまで影響を及ぼしてしまうタスクです。



通常のタスクであれば、作業が遅延したとしてもその中の遅延だけで、プロジェクト全体には大きく影響を及ぼさないものがほとんどです。

遅延タスクの量が増えてくれば、作業担当者のリソースの問題でプロジェクト全体の遅延へと繋がってしまいますが、ここで指すのは、一連のタスクの遅延がすべてに影響を及ぼしてしまう重要タスクを指します。



しかし、この重要タスク、納期が短い場合にスケジュールを調整する指針としてとても有効です。

タスクの中には、遅延での影響とは逆に、タスクを短縮して終えることによって、プロジェクト全体の納期にまで影響を及ぼす、先程とは逆に、その一連のタスク次第によってプロジェクト全体の納期を短縮できるタスクも存在します。



そのようなクリティカルタスクをしっかりと管理・調整することによって、致命的な遅延を防ぎ、納期の短縮さえも可能となります。いかに合理的にプロジェクトを進めていくのか、スケジュール策定時の重要な考え方です。

クリティカルタスクの開始・完了以外の期間であれば、他のタスクは期間を柔軟に調整することが可能です。無理をして早く終えたとしても、結局クリティカルタスクの完了を待たないとプロジェクト全体では先に進めることができません。

ため、その中で無理なく品質高く進めることのできるスケジュールを策定します。短い納期に対応するためには、クリティカルなタスクをいかに早く終えることができるか、その点に絞って調整を行います。

こうすることで、ただのタスク列挙と期間の当て込みだけのスケジュールとは違い、プロジェクトの推進自体を合理的かつ堅実に進めることのできるスケジュールへと進化させることができるのです。

これまでお話してきたスケジュールは後ろから立てるということ、クリティカルパスを適切に管理するということは、全てタスクの明確化が行われていることが大前提です。

しかし、このタスクを洗い出すということが非常に難しいです。基本的にプロジェクトが始まる際には、何を行うのか決まってもおらず、いつ行うのかも決まっていないことが多いのです。

そんな状態でやるべきタスクを洗い出すのは、実に困難です。

またそのタスクが正しいのか、漏れはないのか等を判断することも難しく、タスクを洗い出す人によって精度のばらつきが発生してしまいます。

では、どうしたらタスクを洗い出す人によってのばらつきを無くし、精度を上げることができるのでしょうか。実はタスクの洗い出し、明確化を行う時には既に勝負は決まっています。

重要なのスケジュールを立てる前、タスクを洗い出す前の日々の準備にあります。

そうです。合理的かつ堅実なスケジュール進行が成し得られるか否かは、プロジェクトが始まる前から勝負は決まっているのです。

スケジュールを立てる上で、タスクが明確になっている必要があるとお話しました。しかし、プロジェクト立ち上げ段階ではやることが決まっていない場合も多々あり、タスクを明確にすること自体が困難な場合もあります。

それでもタスクを明確にするために何を決めるべきか、どのように決めていくべきか、そして決まった後の対応内容についても、過去のプロジェクトから見えるはずです。

「過去の実績を参考にする。」これは精度の高いスケジュールを立てる上で、とても有効な手段です。実際に行ったことや対応した人のレベル感、そして実際に費やした時間等の実績値。余程のことが無い限り、同じことをして大きく外れることはまずありません。

つまり、日々のプロジェクト進行において予定と実績をしっかり管理し、会社として、プロジェクトマネージャーとしてナレッジを蓄積できているか。予定と実績の蓄積量と蓄積の仕方によって、精度の高いスケジュールを立てることができるかできないかが決まります。

またしっかりと蓄積できる、そして後に参考にできるようにするために、プロジェクトの進行の仕方、タスクの内容を体系化しておくべきです。新しいプロジェクトも、体系化されたスケジュールをベースに調整していく。そして調整した結果も、今後の糧になるように体系化していく。

そういった取り組みがスケジュールだけでなく、プロジェクト自体の質も向上させることができます。

いわゆるプロジェクト進行の「ワークフロー」を作り上げる。

例えばWebサイト構築プロジェクトであれば、事前にどの様に調査を行い、分析し、設計を行い、構築していくか。どのタイミングでお客様確認をとり、どのタイミングで承認頂くのか。

それらの進行すべてをあらかじめ体系化しておきます。体系化できるような進行方法、タスク内容へ調整するなど日々の取り組みが重要となります。そうすることによって、プロジェクトの推進計画、見積の精度も格段と上がるでしょう。

日々の積み重ねで培われた実績を元に、ワークフローを細かく体系化し、その集合体である全量版のワークフローも体系化しておくことによって、該当プロジェクトに必要なタスク内容を必要に応じて取り出し、スケジュールに組み込んでいくことが可能になります。

これで属人性は排除され、ベテランだけでなく、新人さんでも精度の高いスケジュールを立てることができます。もちろん、取り出して実施した結果に関しても分析し、元のワークフロー自体も進化させていきます。

キノトロープでは、この予定と実績を適切に蓄積するため、そして自社のナレッジを高めるために、Webサイトの上流工程から下流工程、公開後の運用まで全て内製でおこなっています。

それをインターネット黎明期から積み上げ続けてきた実績、ナレッジによって、初期の提案の際にも全体スケジュールが立てられますし、精度の高い見積を作ることが、初期段階から行えるのです。また、プロジェクトによって柔軟に調整することも可能です。

蓄積と調整を行い、体系化を続ける、ワークフロー自体も常に進化させ続けることによって、その精度は今後もどんどん高まっていくでしょう。


最後までご覧いただきありがとうございました。

の4点についての内容でした。

\ がんばれ!Web担当者 /

Web担当者応援マガジン

属人化の嵐の中で、時間と各部署と
そして上司と戦うWeb担当者のために

大規模Webサイトの運用業務に
よくある課題を解決するための手法を
簡潔にまとめました!

大規模CMS成功の法則