こんにちは、キノトロープアカデミーです。

「キノトロープアカデミー」は、Web業界のトップランナーである株式会社キノトロープの社員が講師を務めるオンラインアカデミーです。リモートワーク時代に不可欠な「個のスキル」を高め、職人のような「匠」を目指す人を増やしたい。そんな願いを込め、基礎から経営判断、業務フローまで、一生モノのナレッジを惜しみなく公開していきます。

<中級編 第12回>
Webサイト構築プロジェクトにおけるコミュニケーション
についてお伝えします。

担当は濱田です。

Webサイト構築プロジェクトは、多様な知識量や立場、異なる専門職のメンバーが関わるため、意思疎通や認識合わせが非常に困難です。

このコミュニケーションギャップを埋めて認識の齟齬を防ぐためには、「相手視点に立った伝わる資料」と「完成形を見える化するプロトタイプ」の活用が欠かせません。

いきなり見栄えにこだわらず言葉(テキストベース)で内容や流れを突き詰めた資料を作り、早い段階で表面的な仕様を定義したプロトタイプを用いて全員で議論を重ねることで、不毛な手戻りを防ぎながらWebサイトの成果を最大化させることが可能となります。

“Webサイト構築プロジェクトにおけるコミュニケーション”をテーマに、
今日お伝えしたいことは4つあります。

Webサイト構築やWebサイトのリニューアルプロジェクトでは、様々な部署や役職の方がプロジェクトに関わります。Webに精通している方や、Webについてほとんど知らない方など、Webに対する知識量は様々です。

また、プロジェクト内で作られる資料も、作り手の都合から専門用語や略語、簡略化された表現が多用されています。過去の流れを知っていたり、口頭説明を受けたりしなければ、読み解くことが出来ないものも多々あります。

しかし、プロジェクトメンバーにきちんと理解され、合意を得てプロジェクトを進めなければ、後々「こんなはずじゃなかった」と認識の齟齬が発生することは明白です。

また、理解を得られなければ、役割分担や、成し得なければならないタスクに関しても、協力してプロジェクトを進めていくことは難しいでしょう。

コミュニケーションがうまくいかなければ、プロジェクトの遅延に始まり、作り上げられたとしても思ってもみなかったサイトができあがり、成果に繋がるWebサイトになることはまずありません。

そして、これはWebサイト構築を発注する企業様と制作会社間のコミュニケーションだけではありません。

Webサイトの構築となれば、デザイナーやプログラマ、ライターやカメラマンなどの様々な職種の人々が関わり、それぞれが違う専門用語を話します。重要視するポイントもそれぞれ異なってきます。

そんな、そもそもコミュニケーションがとても難しい体制で推進する必要があるのがWebサイト構築プロジェクトなのです。

コミュニケーションギャップを埋める為に重要となるのが、資料とプロトタイプです。
極論、一人で全てを構築するならば資料は不要です。スケジュールさえも不要です。
では、なぜ資料を作るのでしょうか。

それはWebサイト構築を発注する企業様含め、プロジェクトメンバー全員に、プロジェクトの進むべき方向・考え方などを理解してもらうために資料を作ります。そして、相手が知りたいこと、知る必要があることを伝えるために資料を作ります。

資料はコミュニケーションツールです。証跡を残すことが目的ではなく、相手に伝え、理解してもらうことが目的です。そのため、内容が正しければ良いわけではありません。相手に伝わる資料でなければ意味がありません。

言葉や図版を効果的に使い、いかに明確に伝えるか、そして完成形のイメージを常に共有しながらプロジェクトを推進していく必要があるのです。

Webの知識が無い方とでも円滑にコミュニケーションを取るために、また、直接説明しなくても資料が独り歩きしても伝わる資料とするために、伝える側はどうしたら良いでしょうか。

重要なのは、考え方を相手視点に変えることです。そして、そもそも資料の作り方自体を変えることです。

同じものだとしても、相手の知識や能力・経験によって、物事は違う見え方をします。そのため、相手に一番分かりやすいルート(形)は何かを常に考えているか、そこが重要です。

特に、Webの知識が豊富な人は、最短のルートを端的に伝えがちです。自分の仕事視点ではなく、必ず相手視点に立ち、物事を考え、説明することが必要です。

そのために重要なポイントは、次の3点です。
1.定量的に説明する
2.誰しも間違うことのない具体名にて説明する
3.どんな状態が正しいのか、確認ポイントも説明する

そうすることで、Webに対する知識量の違い、職種の違いであっても、間違うことのない分かりやすい伝わる資料を作ることが出来ます。

そしてポイントは、”言葉”だけでここまでブラッシュアップすることです。

資料をいきなりパワーポイントで作っていき、綺麗な図版を載せながら、資料の作成に何時間もかける方がいます。

ですが、パワーポイントは最終的なアウトプットの整形ファイルなだけであって、まずは中身、内容をしっかりと考える必要があります。それも言葉のみで。

そのため、まずはテキストベースで何度も内容を検討してく必要があります。そして、最後により理解を深めるために、視覚情報を図版として足していきます。

説明の流れも、基本は概要→詳細の流れで説明すると良いでしょう。全体像や大枠、何の話か・要点を説明したうえで、そこから各詳細の話をすると、前提も併せて伝えることが出来るので、理解しやすいです。

これが、「資料の作り方自体を変える」ということです。

まずは、テキストベースで内容を詰めていくこと、テキストベースで作ることで、内容の調整や順序や流れの調整を素早く行え、余計な視覚情報の無い、言葉だけで伝わる内容へと昇華させることが出来ます。

そして、テキストの時点で伝わる文章、伝わる流れを構築します。パワーポイントであれば、アウトラインを先に作り上げるイメージです。言葉が出来たらアウトラインに流し込み、話の流れや粒度を確認し、最終的なアウトプットの整形へと進めます。

そして、補うために必要な図版を入れていきます。余計なアイコンや装飾をこだわるのではなく、言葉を補う視覚情報として図版を足します。そうすることで、伝わる資料を作る事が出来ます。

いくら資料が分かりやすく作られ、プロジェクトメンバー全員の理解が深まったとしても、やはり最終的な完成形のイメージは人によって異なってしまいます。

単純な機能であれば「〇〇をしたら〇〇になる」の様な明確な仕様となるため、理解がぶれることは少ないですが、Webサイトではサイト構造やリンク導線、コンテンツの内容やお客様の動きに応じた対応等、検討すべきことが山ほどあります。

それらを加味した上で、最終的な完成形がどんなものになるのかを明確にイメージできる人は多くはないでしょう。

そこで重要となるのが、プロトタイプです。

まずは、複雑な機能や動きを作る前に、表面的な動きや仕様を完成形として定義します。いわゆる、お客様が見える状態のものを全て作り上げてしまうということです。

そのプロトタイプの時点で、ページの構成であったり、構造であったり、コンテンツであったりを完成形ベースで議論し、アウトプットしていきます。

もちろん、お客様の動きに合わせた導線や、コンバージョンまでのルート設計、KPIのシミュレーションまでも、プロトタイプを用いて行います。

そして議論の上で、プロジェクトメンバー全員が「最終的な完成形はこういう形だよね」と意見がまとまったものに、表面以外の機能を実装していき、管理手法の構築も行っていきます。

もちろん、コンテンツ管理方法についても、運用フローに即したプロトタイプを作り、説明をするべきです。しかし、実際にデータベースに書き込んだり、検索したりといった機能はプロトタイプでは必要ありません。

あくまで、表面的な最終結果、ゴールを明確にすることが目的です。こうすることで、Webに対する知識の差、職種の差、立場の差に関係のなく、相手に理解され、合意を得ることが出来るのです。

また、プロトタイプを用いることで、相手と認識が違う点を、簡単に、そして早い段階で知ることができる点もメリットです。要件定義が終わり、設計が終わり、開発が終わり、検収の時に初めて不満が出て、公開後に修正を行う。プロトタイプがあれば、そんなことは起こりません。

要件定義の時にも、要件を元にしたプロトタイプを作り、設計時には機能がもたらす挙動もプロトタイプで確認し、そして開発でもプロトタイプをベースに実装していく。その過程でいくらでも認識と違うポイントは指摘することが出来るのです。

これはWebサイト構築を発注する企業様にも、実際に構築する制作会社にもメリットがあります。双方に不毛な作業をさせないためにも、Webサイトの成果を高めるためにも、プロトタイプは必要なものであり、今後Webサイト構築で必要なプロジェクトの進め方です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

の3点についての内容でした。

\ がんばれ!Web担当者 /

Web担当者応援マガジン

属人化の嵐の中で、時間と各部署と
そして上司と戦うWeb担当者のために

大規模Webサイトの運用業務に
よくある課題を解決するための手法を
簡潔にまとめました!

大規模CMS成功の法則