こんにちは、キノトロープアカデミーです。
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<上級編 第3回>
安心できるプロジェクトとするための要件定義
についてお伝えします。
担当は高橋です。
Webサイト制作などのプロジェクトをトラブルなく「安心」して進め、確実に成果を出すためには、発注者側が要件定義にどう関わるかが極めて重要です。
プロジェクトを成功へ導くための実践的なノウハウを、ぜひ参考にしてください。
” 安心できるプロジェクトとするための要件定義”をテーマに、
今日お伝えしたいことは3つあります。
まず、安心できるプロジェクトとはどういう状況でしょうか。
それは、スケジュール通り、予算通りにプロジェクトが完了し、目標が達成されることです。
逆に、安心できないプロジェクトの状況としては、
・予算が後から増える、想定していなかった追加の多く見積もりが発生する
・スケジュールが延長変更となる
・想定しない作業が発生する
などです。
これらも要件定義に起因して発生する場合が多くあります。実際に、遅延などの原因は50%以上が要件定義に起因しているといわれています。
そこで、安心できる状況とするためには、発注者側の要件定義へのかかわりかたが重要となってきます。なぜならば、決して要件定義は制作会社任せで完成出来るものではないからです。
要件定義の前段として、発注先選定のためのPRF作成が行われているかと思います。
その中で、
・目的・目標
・スケジュール予算
・対象範囲
については社内で検討し提示したうえで見積もりをもらい、発注し、コンサルティングや要件定義のフェーズが始まっていきます。
RFP作成の中で、要望・要求・要件が整理され提示しているかと思います。ですので、基本その内容を基に制作会社が『要件』として定義を行っていきます。
ただ、「要件」はだれの要件かというと、「発注者の要件」なのです。制作会社が作成するとしても、それは発注者側の要望を要件化したものです。一般的にも要件定義の主体・責任は発注者側にあるとされます。
そのため、発注者側で「提示した要望・要求がどのように要件に落とし込まれているか」をしっかりとチェックし、抜け漏れがないか、また改めて、伝え漏れている要件がないか確認が必要です。
それを可能とするためには、発注者側で要件定義のタイミングにおいて「確認をする時間の確保」が必要となります。
「確認する時間の確保」としては、要件定義を進めるスケジュールでは打ち合わせの時間だけでなく、前後で確認を行うための時間確保が重要となります。確認チェックするべき内容も多くなるため、時間をとっていない場合、緩い確認となってしまい、後から不足していた要件が出てくる可能性が高くなってしまいます。
また、要件定義には対象範囲、機能要件、非機能要件やサイトとして必要なコンテンツの要件なども含め、確認する担当者部署も複数となることも多くあります。そのため、事前に確認や検討の担当者を定め、確認のための時間を確保しておく必要があります。
要件定義の決定主体は発注者側になりますが、Webサイトリニューアルや新規構築においてのプロである制作会社側に最適な要件や不足を引き出してもらうことも重要となります。
発注者側から提示したり、ヒアリングなどからの要求や要望をどのように要件化したりするかはWeb制作会社の腕の見せ所でもあります。
そのため、制作会社側によい要件定義を作成してもらうために、提示することが望ましい情報は次の4点です。
・ビジネス上の戦略・方向性
・目的・目標
・業務フロー
・要望・要求・要件(MoSCoW分析など)
まず、「ビジネス上の戦略・方向性」については、具体的な要望や要求の前に、制作会社にもビジネス上の戦略や方向性を、共有可能な範囲では伝えてもらうのがよいでしょう。
特に、Webサイトの全体リニューアルなどの場合「会社全体」の話が大きく影響してくるためです。そのため方向性が制作会社に理解されていなければ、的外れな提案、解決策を受ける割合が高くなるためです。
「目的・目標」については繰り返しとなりますが、企業としての目的・目標、Webサイトでの目的・目標を提示することです。
例えば会員登録をリアルでも行うようなサービスを行っている場合、「全体の会員登録数2倍のうち、リアルでの登録4割 / Web経由6割」などです
次に、「業務フロー」についてです。Webサイトで公開している情報についても社内ではいろいろな経路をたどって出来上がっている場合があります。商品などを扱っている場合では、商品開発の事業部の方が、基本スペック情報など基幹システムに登録し、さらに広報や販促用の情報を付加し、写真素材などが追加されていきます。その制作の業務フローも可能な範囲で提示するのがよいでしょう
直接Webとはかかわらないから、関係ないという場合も確かにありますが、要件定義段階では考慮漏れや、作ったのは良いが実際の運用に乗せると不可能(または大変になる)といった状況をなるべく事前に判断できるようにするためです。
最後に、「要望・要求・要件」(MoSCoW分析など)についてです。Webサイトリニューアルでは目的・目標にそった要件を対応していきますが、Webサイト全体をリニューアルするので、そのタイミングに合わせて、各部署からの細かな要望にも対応したいということは当然でてくるでしょう。
その場合、要望なのか、要求なのか、必須とする要件なのかは、重要度・優先度も含め一度発注する会社内での整理をして認識を合わせるのがよいでしょう。そのうえで、制作会社とともに費用やスケジュールを考慮し、最適な要求への対応を考え要件として整理していくのが良いです。
その際、要件外とするものも出てくると思いますので、要件外とした理由や、次のステップで対応を行うかなども定め、社内での調整も必要となります。
Webサイトの全体リニューアルの場合、1部署ではなく多くの部署がかかわる場合も多いでしょう。要望していた機能が含まれていないなどが後々出てくる対応が困難となってしまいます。
要件とした対応するかのリストは制作会社に作成してもらい、場合によっては対応範囲も各部署とともに説明を受けるか、サイトリニューアルの担当部署の方から各部署に共有しておくことも重要となります。安心するプロジェクトとするには社内の調整についても重要となってきます
要件定義のチェックポイントは3つあります。
・必要な決定事項が提示されているか
・提示した要望・要求への対応が明確化されているか
・目的・目標の達成につながっているか
要件定義として、必要な決定事項が提示されているかについては下記のようになります。
【全体概要】
・プロジェクトの目的
・Webサイトリニューアルの背景と目的
・目標・評価達成指標
・リリース予定日
・スケジュール
・納品物
【プロジェクト対象範囲】
・対象ドメイン
・対象サイト
・対象システム
・対象ベンダ
【コンテンツ要件】
・コンテンツリスト
【機能要件】
・利用システム・サービス
・機能一覧
・機能詳細
【非機能要件】
・可用性
・性能・拡張性
・運用・保守性
・移行性
・セキュリティ
・環境・技術要件
対象範囲は,
・リニューアル対象とする範囲が具体化されているか
安易にサイト全体となっている場合は注意が必要です。サイトがどの範囲をさしているのか再確認を行い、明示してもらうのがよいでしょう。
コンテンツ要件は、対象範囲の一部ともなりますが、
・リニューアルの場合移行するページが明示されているか、
・新規にページを増やす想定の場合その考慮がふくまれているか
確認するのがよいでしょう。
その際、素材や写真、イラスト作成などにつても見積もりにどのように適応されるかなども確認しておくのがよいでしょう。
機能要件は、CMSを導入する場合であれば、
・CMSからページ作成でできる内容がわかるか、
・お問い合わせフォームや検索機能がある場合は想定している機能が含まれているか、
・全体として現状ある機能が、想定なしに除外されていないか
確認するのがよいでしょう
非機能要件は、一部専門的に知識も必要となってきますが、主なチェック事項としては、
・障害発生時の考慮が記載されているか
(サイトが完全に停止するのか、複数台があるのですすぐには停止しないのか)
・データが消えてしまった場合などのバックアップが考慮されているか
(何日前時点の状態に復旧できる状態としているか)
・稼働率が定義されているか
・災害時の対策について記載があるか
・復旧対応(回復性)についての記載があるか
・性能について対応できるアクセス量についての記載があるか
・性能についてページの平均表示時間についての記載があるか
・運用保守対応の記載があるか
・障害時の復旧対応フローの考慮があるか
・リニューアル時の移行性の記載があるか
・セキュリティ対応の記載があるか
・保障するブラウザ、端末の記載があるか
・インフラ、サーバ構成の記載があるか
・利用するソフトウェアについての記載があるか
・提示した要望・要求への対応が明確化されているか
こちらは、前の章で『制作会社へ提示する情報』として、記載の要望・要求・要件にあたります。この要望に対応する、対応しない、またはどのような方法で課題を解決するかが明確化されているかの確認をおこないます
最後に、初めに定義した目的・目標の達成につながっているかの確認が必要となります要件定義全体が少しずつ影響してくるものもありますが、要件定義を確認して、この内容でどのように目的・目標が達成できるかの要因につながっている部分が判断できければ、制作会社への確認が必須となります。
どうしても要件の詳細を詰めていくと当初の目的・目標から離れた内容も出てきますので、当初目標があいまいになってしまう場合もあります。そのため、何度も目的・目標に立ち戻って、適切か確認をする必要があります。
最後までご覧いただきありがとうございました。

の3点についての内容でした。





