こんにちは、キノトロープアカデミーです。
「キノトロープアカデミー」は、Web業界のトップランナーである株式会社キノトロープの社員が講師を務めるオンラインアカデミーです。リモートワーク時代に不可欠な「個のスキル」を高め、職人のような「匠」を目指す人を増やしたい。そんな願いを込め、基礎から経営判断、業務フローまで、一生モノのナレッジを惜しみなく公開していきます。
<初級編 第3回>
正しいRFPの書き方
についてお伝えします。
担当は濱田です。
前回のおさらい
・RFP作成はとても難しい
・粗すぎず細かすぎずが望ましい
・RFPとは「良い提案をもらう」ために、必要な情報を正確に提供するもの
ひとつ目に、RFP作成はとても難しいという事です。
ネットでRFPのテンプレートを拾ってきて、膨大な長編映画のようなRFPを作成しても、上手くいかないかもしれません。
二つ目に、粗すぎず細かすぎずが望ましいという事です。
やりたい事や直したい箇所がたくさんあるのは分かりますが、それをそのままクリアすべき要件として羅列すると、その通りの提案しか来ません。
最後三つ目は、RFPの定義です。
RFPとは「良い提案をもらう」ために、必要な情報を正確に提供するものです。
この、「必要な情報」という内容を、これからお伝えしていきます。
正しいRFPの書き方をテーマに、
今日お伝えしたいことはシンプルに1つのみです。
結論から言いますが、RFPに必須の項目としては下記3点です。
・目的・目標
・予算・納期
・対象範囲
逆に、他にどんなに細かく書いてあっても、この3点が明確でない場合はRFPとして不合格です。
キノトロープではありがたいことに、月間数十件、年間数百件を超える引き合いをいただきます。
リニューアルしてほしい、新規構築してほしい、様々なご要望をいただきます。
そんな中で、これらが明確に提示されないオファーやRFPが以外にも多いのです。
「スケジュールは、なるはや。」
「自由な提案を求めるため予算は提示しません。」
そういったオファーがびっくりするほど多いです。
100ページを超えるRFPで、これらが具体的に書いていないRFPを作るくらいなら、この3点を1ページに3行でまとめてもらえたほうが、提案する側としてはとても進めやすいです。
それ程、これらの項目は大事ですし、発注する側であるクライアントの意思を明確に示す項目でもあります。
それでは、3点について、具体的に説明いたします。
Webサイトリニューアルで成し得たいことであり、最も重要な項目です。
大変な社内調整を経てこのリニューアルプロジェクトを立ち上げるに至った経緯や背景をつらつらと書きたくなる気持ちは分かりますが、シンプルに「目的・目標」を記載してもらえれば結構です。
ポイントは、「具体的、かつ定量的な数値の目標が望ましい」ということです。
定量的な目標数値の例
・フォームでの問い合わせ数を、公開後6ヶ月の
時点で100件にする。(現在60件/月)
・ECサイトでの売上額を、公開後1年経過時点で
200%にする。(現在1,500万円/月)
例えばこういう事です。
目的目標は書いてあるのですが、「問い合わせ数を増加させる」「売り上げ貢献につながる」といった、「具体的ではない」目標設定が圧倒的に多いです。
そうでは無く、問い合わせだったら具体的に何件くらい増やしたいのか、何割増やしたいのかを明確に決めてしまう。
またここでは「公開後6ヶ月の時点で」と書いてありますが、これもポイントです。
Webサイトリニューアルの場合、公開直後に問い合わせが倍増するようなことはなかなかありません。
上手くいったとしても、少しずつ上昇していくことが一般的です。
そういったことを知らない上司の方は、公開3日で「問い合わせはどれだけ増えたんだ?」と聞いてくるかもしれません。そんな時のためにも、予め成果を出す「時期」を設定しておくことが重要です。
また、具体的な数字や期限を明確に伝えることで、制作側からの提案を引き出すことになります。
例えばECサイトで、公開後2ヶ月で売り上げを倍増させるような目標を設定する場合、ツールの入れ替えや全体リニューアルよりも先に、広告集客や導線・デザイン改修を優先して実施し、その後全体リニューアルに繋げる、といった具合に具体的な進め方やノウハウの提案を受けることができます。
それ自体が提案側の力量を測る内容につながりますので、多少おかしくても構わないので
出来る限り具体的な定量目標を定めていただきたいです。
先ほども言いましたが、「自由な提案をしてもらいたいため、敢えて予算は提示しません。」、「本年度予算のため、期末(3月末)までの間になるべく早めの公開を希望します。」といった内容です。
提案側からの本音を言わせてもらうと、正直勘弁してもらいたいです。
モノづくりをお願いするのに、 「いくらくらいで」「いつまでに」という状況を伝えずに、「こんなものを作ってください」という。それってとてもおかしいですよね。
その場合、コストを十分にかけて実施する見積もりを提案側は出します。
すると、「想定していたコストよりもずいぶん高かった」などと言われます。
「想定していたコストあるんじゃん。。」となるわけです。
それを何となく予想して提案しろという事なんでしょうか。。
納期についても、十分な期間があったとしても、受注側の人的リソースが空いてない時期で対応できないかもしれません。
RFP作成からコンペ実施など選考過程においては、発注側、提案側ともにかなりの労力を使うことになります。
提案してから「実は全然想定と違っていた」ではお互いに無駄な労力を使ってしまいます。
はなから予算感や納期が合わないのであれば、提案前に辞退することが両社のためになります。
そのための最たる判断項目が、「予算」と「納期」です。
予算のポイントについてお伝えします。
予算のポイント
・イニシャルコストとランニングコスト
・CMSツールなどのライセンスコスト
・効果測定や、機能改修などのコスト
サイトを構築して公開するまでのイニシャルコストとは分かりやすいと思います。
それとは別に、公開後にサーバを監視して問題があった時に対応するための保守費用といったランニングコストもかかることが多いです。
特に近年はHTMLの静的なWebサイトではなく、CMSなどのツールを利用したり、基幹データと連携してページを生成するなどシステム化された作りが多く、そうなるとトラブル時の保守体制は整えておく必要があります。
想定しておらず、想定外のランニングコストの見積もりが出てきて焦らないように、こういった費用が掛かることを想定しておきましょう。
また、CMSをはじめとするライセンス費用も必要です。
無料のツールから、ライセンス費用だけで数千万円するようなツールもあります。
ライセンス形態も買い切りのものもあれば、従量課金の毎月清算型のツールもあります。
有料のCMSツールの場合、数百万円以上はライセンス費でかかることが多いです。
どのような予算項目で計上するかによって扱いは変わるかもしれませんが、予算には組み込んでおく必要があります。
最後に、ランニング費用の中でもログ分析など効果測定を実施し、その結果をもとに機能やページの改修を行う費用です。
近年は公開後の分析・改善を重要視することが多く、効果測定を外部に委託する場合が多いと思われますので、見積もり依頼にそのあたりも追加しておくと良いでしょう。
また多くの場合CMSツールが組み込まれるため、改善には機能改修を伴うことが多いです。
単純なページ追加などではない改修費用が掛かってくることが見込まれます。
予算・納期と関連する部分もありますが、どの部分が対象範囲になるのか(対象範囲として考えているのか)を事前に伝えてもらうと、スケジュールやコストの算出がしやすくなります。
詳細な範囲の定義をこの時点で決めるのが難しい場合、次の2点について明確にしてもらえれば十分です。
1.ドメイン範囲
2.検索・連携・フォーム機能
一つ目、ドメインについてです。
複数ドメインを持っている場合は、そのどこまでが対象範囲になるのか。
同じドメインだと思っていたけれど、実は途中でドメインも変わっていてサーバも別のところといったこともよくあります。
同一ドメインの中でも、例えば特別に作りこんでいる「新卒採用サイト」は対象外だったり、「キャンペーンコンテンツ」は対象外だったり、という事が良くあります。
それらを明確にしていただきたいです。
次は検索や連携、フォーム機能です。
見積りやコストに大きく影響する箇所の一つに、CMS以外の機能部分があります。これは、ASPを利用するにしても、スクラッチで開発するにしても大きな工数が発生することが多いです。
さまざまな機能がありますが、Webサイトリニューアルでよくあるのが、「検索」「連携」「フォーム」です。
「検索」については、何か条件を選択したら商品が出てくる商品検索や、キーワードを入力したらキーワードにヒットするページが出てくるサイト内検索などです。
多くのサイトで実装されている機能なので当たり前のように見えますが、検索機能を開発する場合は多くの工数が必要になります。
「連携」については、自社の商品マスタと連携して、自動的に商品ページを生成している、顧客マスタと連携してコンテンツを出しわけている、
など異なるシステム間で連携させるシステムを用意する必要がある場合です。
こちらも検索同様、多くの工数が必要になります。
「フォーム」については、問い合わせフォームや資料請求フォームなどをASP利用とするか、スクラッチで構築とするかによっても大きく変わってきます。
スクラッチの場合は、個人情報の格納場所についても十分な検討や追加コストが必要になる場合があります。
範囲といっても、予算納期にインパクトのあるこういった点を押さえて考えていただくだけで、スムーズに進めることが出来るかと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
今回は、「これだけ書けばとりあえずOK!RFPの必須3大要素」
についての内容でした。





