大規模Webサイト・CMS構築成功の法則

Webサイトにおけるコピー(文章)はどうあるべきでしょうか?

私は「簡潔にして明瞭」であるべきだと考えます。

不適切な言い回しによってコピーが冗長になると、ユーザーに伝わりづらいコンテンツとなります。
当然、Googleにとっても分かりづらいコンテンツとなり、SEOにも合致しません。

今回より数回にわたり、SEOに効果のあるキレのある文章の書き方について書いていきます。

ビジネス上、ていねいな言葉を使わなければならない場面は多々あります。
私はどちらかと言うとていねいな言葉使いを好みますが、ていねいも過ぎると冗長になります

例えば、下記のような文章。

「当サービスはオプションとなりますので、ご了承いただけますようお願いいたします

サイト全体がこのようなトーン&マナーでは、テキスト量が無駄に増え、ユーザーの使い勝手が悪くなってしまいます。

「当サービスはオプションとなります。ご了承ください」で十分ていねいですし、
そもそも、要件を伝える意味では「当サービスはオプションとなります」で事足りています。

「~させていただく」という謙譲語は一見上品ですが、対象を間違えると意味が通りづらくなります。

「先日ニューヨークへ行かせていただいたのですが

上記のようにへりくだる相手が不明な場合、逆に聞き手に不快感を与えかねません。

「先日ニューヨークへ行ったのですが」が正です。
これで6文字もスリムアップでき、回りくどさが解消されます。

話し言葉でありがちなのが、敬語の重なりです。
例えば、「お客さまがいらっしゃられました」や「おっしゃられる通りだと思います」など…。

普段の会話では見過ごされがちですが、文字にするとうるさく、読みにくい印象を与えます。

上記はともに尊敬語の「れる」が重なっています。
そのため、「お客さまがいらっしゃいました」や「おっしゃる通りだと思います」とするのが良いでしょう。

微細な違いですが、読みにくさが解消されていることを感じてもらえますでしょうか。
こうしたディテールの積み重ねで、Webサイトの印象は大きく変わってきます。

「不必要な敬語」を取り除くだけで、Webサイトの記載内容がユーザーにより伝わりやすくなります。
サイト全体のテキスト量をシェイプアップできれば、写真を追加する等ファーストビューも改善できます。

不必要な敬語が多用されたコピーからは、「取り敢えずていねいにしておけばいい」という思考停止が見て取れます。

ビジネスを目的としたWebサイトでは「要件を正確に伝えること」を優先すべきです

Webサイトとしての「ていねいさ」は、言葉使いよりも「本当にお客さまが必要とする情報が掲載されているか」や「サイト構造」に現れると、私は考えます。

白石 裕一朗

執筆者

白石 裕一朗

コンサル部

セクションチーフ/ディレクター、コピーライター

2018年キノトロープ入社。『Sound & Recording Magazine』『Red Bull Studios Tokyo』をはじめ、20年以上にわたり出版界で編集者・ライターとしての研鑽を積んだのち、Web業界に転身。コピーのスペシャリスト。売るための最終兵器はコピー、それはWebでも変わらない。そのための技術はもちろん、「伝え方」の本質にまで踏み込みます。